アメリカの2010年ヒット商品

2010年11月発行の日経トレンディ12月号で

毎年恒例のヒット商品ベスト30が採り上げられていました。

時を同じくして、アメリカのAdvertising Ageでも恒例のヒット商品が採り上げられていました。


(Advertising Age[英文]より)


アメリカと日本ではヒット商品の採り上げ方に大きな違いがあります。

それは、順位があるかないか。

日本では順位が付けられているのに対し、

アメリカでは順位が付けられておらずABC順に採り上げられているのです。


さらに日本では毎年30種類が選ばれるのに対し、2010年のアメリカでは37種類。

2008年は50種類、2009年は40種類と不景気のあおりを受けてか減少傾向にあります。


そこで、今回はアメリカの各ヒット商品をそれぞれ分類ごとに触れてみたいと思います。


 

 飲食料関係



Ciroc』は、フランスの葡萄からできているウォッカです。

ワインは葡萄、芋焼酎は芋、ウォッカは大麦・小麦・ジャガイモなど

お酒はさまざまな穀物を原料にしてできています。

葡萄が原料にもかかわらず、ワインではなくウォッカ。

そしてアルコール度数40度を全く感じさせない飲み口の良さで注目を浴びました。


Dos Equis』は、飲み口が良くスムーズなのど越しのビールです。

癖のない味わいで、どんな料理にも合うと話題になりました。


Dale’s Pale Ale』は、香りが良く深い味わいがあるビールです。

後味に軽い苦みが残ることが特徴で飽きの来ないビールとして人気になりました。



McCafe』は、日本でも販売されているマクドナルドのコーヒーです。

クーポンや割引券の効果があり、急成長を遂げました。


5 Gum』は、無糖ガムです。

このガムが、ヒットした理由には次の3つの取り組みが挙げられます。

まず一つ目は、ガムの入っている箱のシンプルさにこだわり成分表示などの表記は

箱が包んである透明フィルムに印字したことです。

そして二つ目は、ガムの包み紙はガムの色と合わせ、光沢のあるものを使用したことです。

最後三つ目は、人間の五感を刺激するガムという訴求を行ったことです。

このようなこだわりぬいた包装や広告、そして新しい味の追加など

トータル的に話題となりヒットしました。


M&Ms』は、丸いチョコレートに目や手足のあるキャラクターで、

日本でもなじみのあるチョコレートです。

砂糖菓子でコーティングされ、夏場でも溶けずに食べられると長年ヒットしていた商品。

1940年代から販売されていましたが、2010年ヒット商品に選ばれました。


PopChips』は、揚げない焼かないポン菓子製法のポテトチップスです。

おいしさとヘルシーさとがインターネットの口コミで広まり人気となりました。


 電子機器関係



Droid』は、新Android携帯として日本でも注目されているスマートフォンです。

スマートフォンは携帯電話・PHPとPDA(携帯情報端末)が

ひとつになりスケジュールや住所録、メモなどの管理が容易になった小型電子機器です。

様々な機能を果たすアプリケーションをインストールすることで

各個人の必要な機能だけにカスタマイズできることで自由度が高く大人気となりました。

 

日本では携帯電話自体が高機能、高級化しているために

アメリカよりも若干知名度は低いようです。

 

Ipad』は、アップルによって開発及び販売されているタブレット型コンピュータです。

日本でも話題になった商品で、アメリカだけでも発売初日に売上台数30万台を記録しました。

アメリカ国内でも想定外の売れ行きを記録した商品です。



Beats by Dr. Dre』は、優れた音質を誇る高性能で高級なヘッドフォンです。

有名アーティストが使用していること、

iPodやiPhone向けの機能を付属したことで人気になりました。

ファッションとしても注目を浴びているそうです。


Redbox』は、DVD自動レンタル機です。

タッチパネルでレンタルしたいDVDを選択すると借りられます。

まさに自動販売機と同じような仕組みです。

1泊1ドルといったようにレンタル料金が安いのが特長です。

その反面、返却日を過ぎるとペナルティ料金が付き、

支払いはクレジットカードのみという制約があります。

こういったことがありますが、手軽で利用する人が多いため、

ヒット商品に選ばれました。


 日用品・雑貨関係



Vibram』、『Skechers』、『Reebok EasyTone』は、どれも靴です。

Vibramは、5本指の靴。

Skechersは、日本のクロックスと同じような靴。

カラフルでファッショナブルだけではなく、軽くて歩きやすいのはもちろんのこと

脱ぎ履きしやすく、また水に濡れてもよい素材を使用しているので場所を選ばず

オシャレな足元を演出できるとして話題を呼びました。

最後にReebok EasyToneは、フィットネスシューズ。

セクシーな体系を手に入れることができるということをアピールするために、

有名女優ケリー・ブルックの裸での広告モデルが効果的でした。



Dawn』と『Purex』は、洗剤です。

前者は、少ない量でも油汚れがすっきり落ちる食器用洗剤。

環境にも配慮されているエコ商品です。

後者は、アメリカで一番人気の芳香剤ブランドが発売した柔軟剤。

柔軟剤の中に芳香剤効果をプラスし、消臭効果抜群で気持ちの良い香りを

残してくれる商品として大人気です。


Bagster』は、ゴミ収納バッグです。

家の中にある大型な不要なものをバッグに詰め、そのバッグごと売ることができます。

家の外に出しておくと、廃棄物管理会社が回収するという便利なシステムも好評でした。

 


Tresemme』は、シャンプーコンディショナーです。

安価で大容量が人気。

シャンプーの使用直後はこれで大丈夫なのかと思わせるくらい髪がキシキシになりますが、

コンディジョナーを使うとしっとりだけど重くならずにまとまり、

香りがよいとギャップが話題になりました。


Gillette Fusion ProGlide』はカミソリです。

U by Kotex』は生理用品です。

どちらも、情報提供するとポイントがもらえるという口コミを利用し話題になりました。


Old Spice』は、男性の身だしなみを整えるコロンなどの商品です。

テレビCMを主軸に展開されたソーシャルマーケティングキャンペーンで効果的でした。

アメリカでは、「オールドスパイス現象」とも呼ばれるほど大ヒットしました。


 自動車関係

 


自動車関係では『Buick』、『Hyundai』、『Ford』の3社が選ばれていました。

Buicは、ゼネラルモーターズ(GM)が製造・販売する乗用車のブランドです。

ターゲットの変更で成功して注目を浴びました。

Hyundaは、韓国の自動車メーカーです。

モータースポーツに参入し、売上げこそ減少したものの

シェアを伸ばしたことでヒット商品に選ばれました。

また、車社会のアメリカでは絶対に自動車が必要な人もいるため、

そういった層が不景気で安さに流れたことも大きな効果につながりました。

最後にFordは、自動メーカーであることは言わずもがな、

2010年モデルイヤーを行いました。

フォード・モーターの2006年以来、5年ぶりのモデル・チェンジとなる

新型「フォード・エクスプローラー(Ford Explorer)」の発表が話題になりました。


 趣味・娯楽関係 



Glee』は、全米大ヒットドラマです。

高校のグリー部(合唱部)を舞台に個性的な学生たちが、

様々な困難を越えるたびに自分自身の誇りを見つけ出し、

成長していく過程をストーリーぴったりの名曲とともにつづっていくミュージカル・ドラマ。

日本でもGleeのTVコマーシャルが放送されています。


Conan O’Brien』は、「ザ・トゥナイト・ショー」の司会を務めたコメディアンです。

視聴率低迷や諸般の事情により降板が決定しましたが、

全米を周るスタンダップ・コメディ・ツアーを開始するなどして話題になりました。


Miami Heat』は、バスケットボールチーム名です。

選手の移籍や試合が注目されました。


WWE』は、プロレス団体です。

プロレスイベントやテレビ中継を大人向けから家庭向けに移行して話題となりました。

子ども向けのおもちゃを開発し、子どもと一緒にテレビ中継を見て

楽しめるようにしたことも効果のひとつと言えます。


PopCap』はインターネットゲームサイトです。

中でも「プラントVSゾンビ」が大人気。

ハードコアで引きつけられるゲーマーも多いとか。

様々なゲームがあるので特定の人だけに限られず人気になりました。



The Hunger Games』は、内容としては日本のバトルロワイヤルに似た書籍です。

毎年アメリカでは24人の子どもたちが選ばれて、

ある森で最後の一人になるまで互いを殺し合うという内容です。


Marvel』は、コミック出版社です。

「アイアンマン」の公開が大ヒットし、注目を浴びました。



ThinkGeek』はスピーカー内臓のTシャツ。

ドラムがデザインされたTシャツのドラムをたたくと音が鳴る電子ドラムTシャツ。

ユーモアなアイデアが人気となりました。


Silly Bandz』は、輪ゴムのアクセサリー。

安価で子どもたちが殺到し話題になりました。

日経トレンディ12月号の「2011年にヒットすると予想される商品」に掲載されていました。

アメリカでは、すでに2010年ヒット商品に選ばれていますので、

Silly Bandzが今後日本国内でどうなるのか楽しみです。

 

My Pillow Pets』は、アメリカの子どもたちの間で大人気のソフトな肌触りのぬいぐるみ。

マジックテープ(登録商標)を外すと枕に早がわりするなど、

ぬいぐるみ以外の使い道があることで話題を呼びました。



Bass Pro Shops』は、釣り道具の専門店です。

フィッシングやハンティング、キャンピング関連の商品を扱う小売店です。

店内には釣竿だけでも1000本以上が並び、様々な動物のはく製やディスプレイ、

池には本物の野鳥が放たれていたりとテーマパーク状態です。

店舗によっては、ショッピングモールと併設し博物館や水族館、レストランまであります。

そういった設備を兼ね備えた小売専門店として話題になりました。


Groupon』は、時間・数量限定で非常にお得なクーポンや商品券、

ギフトカードを販売するサービスです。

別名フラッシュマーケティングとも呼ばれています。

50~80%引きといったものもあり、大人気です。

今、日本でも参入しているところが増えているサービスです。


Burberry』は、有名ブランドのバーバリーです。

ロンドン・ファッションウィークとBFC(英国ファッション評議会)の設立25周年を記念し、

バーバリー・プローサムのレディースコレクションを発表しました。

その結果、大ヒットして売上高が増加することで、ヒット商品に選ばれました。



今回のアメリカのヒット商品2010は、

日本の傾向と似ている面が二つありました。


一つは、何十年も前から存在する商品が選ばれていること。

M&MsやFordなど、昔からある商品がいくつか選ばれていました。

消費低迷で、かつてのヒット商品で攻めるという日本国内の戦略と

似ているところがあります。


そしてもう一つは、付加価値のある商品に手が伸びていること。

消費低迷はなおも続いているものの、消費者の行動は少し変わってきました。

それは、多少高価なものでも付加価値のある商品が話題を呼んだこと。

また、趣味・娯楽分野の商品も多く選ばれる結果となりました。


今回のヒット商品は販促方法のひらめきや運、

口コミなどの様々なマーケティングを展開したものが多く選ばれる傾向がありました。

売上増加だけでなくシェア拡大といった要素も多くあったように思います。


最後に、今回のアメリカのヒット商品は意外と

日本国内でも聞き覚えのある商品が選ばれていたように思います。

アメリカで話題のものは日本でも話題になる可能性があると言えそうです。



2011/01/19 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター