アメリカのクーポン事情

海外のプロモーション活動について調べていると、
アメリカのクーポンについて興味深い記事を発見しました。
そこで今回はアメリカのクーポン事情をご紹介します。



私たちが普段何気なく使っているクーポン。
一体クーポンはいつ頃誕生し、
アメリカではどんな特長や効果があるのか。
まずはクーポンの歴史からご紹介したいと思います。


 クーポンの歴史

 

ローマの化粧品を販売している人が商品を購入してくれた人に
インセンティブとして小物を渡したことがあります。
このインセンティブとして小物を渡すという行為が、
金券を提供するプロモーションの起源となったそうです。


このようなプロモーションが発展し、クーポンが確立しました。
クーポンの歴史は諸説ありますが、
19世紀始めにアメリカのコカ・コーラ社の発行した新商品の試飲ができるクーポンが
最初のクーポンとして知られています。


また割引クーポンとしては、アメリカのシリアルメーカーC.W.Post社が発行した
新商品の値引券として使用できるクーポンがあります。


そして1920~30年代にはクーポンが新聞媒体に掲載されるなど、
クーポンは幅広く根付いていきました。
その後、100年以上の歴史がありますが、
クーポンの活用方法や配布方法などはあまり進化していないように感じます。


ここ最近ではインターネットを利用して対象のクーポンをプリントアウトするものや
モバイルクーポンを掲示するものなども増えてきました。
しかし、手軽に手に入れやすかったり使い勝手などの理由から
まだまだ紙のクーポンを使用する人の方が多いようです。


次にクーポンの種類をご紹介します。


 クーポンの種類

 

クーポンは大きく分けると下のような3種類があります。


 メーカークーポン

 

メーカーが発行するクーポンです。
インターネットや折り込みチラシ、DMなどに付いています。
消費者が使用したい商品のクーポンを店舗に持っていき、その商品を購入する時に渡すことで、
クーポンに記載されている金額分の値引きやサービスが受けられます。
この仕組みは、クーポンに記載されている割引額を店舗側が一時的に立て替え、
立て替えた金額をメーカーに請求する方法です。
またノベルティなどに関しては、メーカーから店舗にノベルティが渡されており、
対象の商品を購入したお客様にノベルティを渡す方法もあります。
商品に対するクーポンで、使用店舗が限定されていないのが特徴です。


 ストアクーポン

 

メーカーと小売店が協賛して発行しているクーポンです。
店舗が販促のために発行しています。
そのため、使用できる店舗が限定されることが多く
割引額は発行した店舗が負担するのが特徴です。
インターネットや折り込みチラシ、DMなどに付いています。


 カタリナクーポン

 

対象になっている商品を購入したときにレジで発行されるクーポンです。
レシートについている割引クーポンなどがあります。

カタリナ・マーケティング社が開発し、「チェックアウト・クーポン」とも呼ばれています。


このクーポンは、基本的に発行した店舗でしか利用できないこと、
他のクーポンと併用できないなどの条件が付くことがほとんどです。
さらに、以前購入した対象商品と同じものを購入する時にしか使えなかったり、
オンライン購入を促すものであったりと戦略が練られています。


以上のようなクーポンがありますが、全て顧客化につなげるツールとして
使われていることには変わりはありません。


最後にアメリカのクーポンの特長についてご紹介したいと思います。


 アメリカのクーポンの特長

 

アメリカでは日常的にクーポンが使われているそうです。
その理由は、アメリカで使われているクーポンは併用可能なことが多く、
また値引率が大きいなど、使用することで大変お買得になるからです。


例えば併用可能なストアクーポンとメーカークーポンを使って買い物をすると、
なんと90%以上の割引きや無料で商品を買うことができるのです。
なんとも大胆なクーポンです。
ですから、何十枚とクーポンを持ってレジに並ぶ人も多くいます。


そしてアメリカで最も普及しているクーポンの配布方法として、
日曜版の新聞への折り込み広告があります。
消費者はその広告から必要なクーポンを切り取り、買い物をする時に使用します。

この日曜版に挟まれてくる広告は、小冊子になっていることが多く
さまざまなメーカーの食料品や日用品のクーポンが一括に掲載されています。
また、平日版にはほとんどチラシが無く、日曜版にまとめてチラシが折り込まれていることが特長です。
そのためクーポン目的で日曜版だけの新聞を取っている人も少なくありません。
新聞代を支払っても、クーポンを利用することで十分得をすることができるからです。


アメリカの企業が行う消費者向けプロモーション活動の約4分の3は
クーポンが占めているとも言われています。
そういった特長があるため、クーポンの活用方法を教える講座やサイトなども多く存在しています。


そんなクーポンですが、最も普及していたのは1992年。
79億枚の回収枚数を叩き出しました。
その後、使用件数は減り続け、2006年には26億枚まで落ち込みました。
しかし、ここ最近の経済状況悪化の影響を受け、再びクーポンを使用する人が増えたのです。


中でも、クーポンとアメリカ特有のFSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)を
併せて展開する小売業が多くあります。
FSPとは、サービスすべきお客様に最大級のサービスが届き、
バーゲン客にはうまみがない仕組みを実現する手法です。
ポイントカードなどから収集した顧客情報を駆使したサービスです。
下の図がFSPのイメージ図です。



FSPとクーポンの活用方法の一例に、クーポン使用で激安価格を訴求し、
ただしFSPカードを使用という条件が付けられているものがあります。
そうすることで、無料で発行できるFSPカードを発行するために会員になる消費者が多くいます。
そして顧客化とより多くのデータ収集をすることが可能となります。


アメリカの小売業ではこのFSPが多くの店舗で採用されており、
クーポンは顧客化だけでなくデータ収集のツールとしても使われているのです。


 

最後になりますが、
アメリカでの多様なクーポン展開は主に大手チェーンが展開し、
顧客化や集客力増加、EDLPを行っている対ウォルマート戦略のために
行うという傾向があります。


クーポンが誕生してから約100年。
その方法はあまり進化していないものの、長年受け継がれたマーケティング手法です。
今後クーポンをどう活用していくかで、より効果を得ることができそうです。



2011/02/16 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター