9ドルでどこまでも

2009年3月28日(金)から2年間、ETCで高速道路代が一律1000円という政策が打ち出されました。
ETC車のみ、土日限定、軽・普通自動車のみと制限は多いですが、
利用した人は大変多く、渋滞も昨年よりもかなりあちこちで見られたようでした。
さすが前年比170%の渋滞予測です。


1000円。確かに安いです。
群馬から青森に行っても、群馬から鹿児島に行っても1000円です。
CO2が気になりますが、破格だと思います。


驚くことに、アメリカにはこれと同額くらいで乗れる飛行機がありました。


それはallegiant airです。
もちろん、いつもではありません。
地域が限られていたり、1週間に3便だけとか、早期の予約が必要など、それなりの制限があります。


実際、諸税金を合わせると20ドルほどかかってしまうようですが、プロモーションのため9ドルで運行しています。



なぜ、こんなに安く乗れるのか。
その理由はこんなところにあります。


 地方空港への直行便に絞り、数を限って運行
 ターゲットは一般旅行客
 基本料金は運賃のみ。毛布や食事は別料金
 型落ちの古い機体を使用している
 従業員の労働時間を絞っている。フルタイムで勤務している人は少ない。


 地方空港への直行便


多くの航空会社はビジネスで飛行機に乗る人をターゲットにしています。
そのため大都市への直行便が増えます。
そこへの参入はハードルが高く、費用もかかります。そこで旅行客をターゲットにし、地方都市への
直行便を多く運行することにし、他の企業との住み分けを行いました。

例えば、こんな地域が該当します。



ロサンゼルス→コロラド直行便。この距離で9ドル。1000円ちょっとです。



ロサンゼルス→オレゴン直行便がやっぱり9ドル。日本で言うと福岡から宮城、岩手くらいの距離です。


 ターゲットは一般旅行客


地方都市直行便だと、ビジネスよりも観光での利用が増えます。
旅行客に絞った事で、今までは飛行機代が高くて家族全員で旅行が出来なかったけれど、
今回初めて子ども全員を連れて出かけられた、との声があったそうです。嬉しかったでしょうね。


allegiant air は観光もあわせて販売しています。
各地域の契約ホテルの紹介や、人気のイベントと合わせての航空券販売を行っています。
この分野、一般旅行者がターゲットですから、非常に充実しています。
日本の航空会社も同じことを行っていますが、わかりやすさで言えばallegiant airの方が上かな、と感じます。


 運賃のみ。サービスは省略。


航空運賃には、機内への荷物預けやドリンクサービス代が含まれています。
が、この航空会社が運行する便の所要時間は、たとえばリンドバーグ⇔モントレー間で約1時間20分です。
ちょっと遠出程度の時間で、1泊、もしくは日帰りでも可能な地域ばかりです。
このため、基本料金を飛行機に乗るだけ、という「運行費用」のみにすることでコストダウンを図りました。
飛行機は、 機内食が楽しみだから乗るんです。という場合は別料金になります。


 再利用


古い機体をリフォームして再利用することも、コストダウンに一役買っています。
新品購入の1/10程度の価格ですむそうです。安全面さえクリアできれば旧機の利用は有効です。
思わぬ副産物ですが、乗客の中には旧機ゆえノスタルジックな想いに駆られた人もいたようで、
7年前に飛行機を使う旅行はやめたけれど、また再開してみようか、などの声も聞かれたようです。



これらの結果、allegiant airは大盛況で、席の占有率は常に90%を超えています。
航空業界が軒並み不景気のあおりを受けている中、
第1四半期の利益は2820万ドル、売上高は約200 %増加しました。
9ドルの低運賃が嘘のような利益です。


この会社は、強みを熟知するといいますか、
まずは他とは違う攻めどころをきっちり押さえることにより売り上げを生み、
他と差別化ができない部分は思い切って切り捨てることで利益を生んでいます。


不景気でコストダウンを要求される中、一部を捨てる
その思い切りの良さ、その気概がすばらしいと感じました。



少し前から、小売業は軒並み値下げを行い、体力勝負となりつつあります。
ただ、そんな中でも売れている商品は確かに存在しています。
アイデアや工夫次第、とは言いますが、実際はとても難しいと思います。


もしかしたら、日々当たり前に行っていることの中には「過剰」なところがあるのかもしれない。
そんな気持ちで毎日を過ごしていこうと改めて思いました。



2009/06/09 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター