RFIDでOne-To-Oneキャンペーン!

今月は、日経MJに掲載されていた記事からのご紹介です。


取り上げるお題は、イギリス出身の小型車、ミニです。
ころんとしたボディが大変愛らしい車です。


(http://www.mini.jpより)


キャンペーンはMini USAが行った、『Mini Motorby』と呼ばれるもので、
電光掲示板 『Mini Motorboard』オーナー個々人に向けたメッセージを送ってくれるのです。
(2009年3月現在、このサービスは終了しています。)


ミニのオーナーでMini Motorbyにエントリーしたい人にアンケートをとります。
自分の名を、例え本名ではないにしても人前にさらすわけですから、当然希望者のみが対象となります。


アンケートでは、名前やミニのニックネーム、どんなドライブが好きか形容詞で表してください、
など、いろいろなことを広く聞いているようです。


ここで収集したアンケートの内容に応じて、情報を書き込んだキーホルダーが車のオーナーに贈られます。
中にはICタグが内臓されています。


そのキーホルダーを持って走り、『Mini Motorboard』の近くに行くと、
キーホルダー内のICタグと双方向通信をし、オーナーにぴったりのメッセージを表示します。


Mini Motorboardは、普段は一般向けのメッセージを流していますが、
ICタグキーを持った人が来たときだけ、その人のためのメッセージに切り替わります。
地域や時間など、さまざまな条件によって変化し、内容は何パターンもあるそうです。


ICタグの読み取り距離は約150メートル(500フィート)ほど。運転にも大きな妨げにはなりません。
また、暗号化もされているので情報が漏れてしまうこともありません。
安全面を保障された、大変遊び心のある販促方法といえます。


このキャンペーン、1月末からニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、マイアミの4箇所で行われています。
最初は数ヶ月間の予定でしたが、好評につき、年内いっぱい実施するそうです。


このキャンペーンにおいて私が注目したいのは、以下の3点です。


 ・ICタグを在庫や物流管理以外に利用したこと

 ・従来のお客様とこれからのお客様両方へアプローチできる効率の良さ

 ・コストが安く済んだこと


従来、ICタグの多くは物流や在庫管理に使われていました。
コストを考えると、決して使い捨てにすることができないので、至極当然の使われ方といえます。


その「至極当然の使い方」ではなく、One-To-Oneのメッセージに活用した点が
斬新で画期的だと思います。屋外で、というのもまた珍しい例だと思います。
実際には、車という高額商品だからできるのかもしれません。


Mini Motorbyキャンペーンは、多くのブログに登場しており、口コミでもかなりの評判になったようでした。


 ・従来のお客様には、個々に向けたメッセージで楽しめる環境

 ・これからのお客様には、ミニに乗ることで得られる楽しい生活のイメージ


と、今までのお客様とこれからのお客様、両方に訴求することができたといえます。


「一般の人の間からじわじわと伝播する」情報は、底力があるものです。
セキュリティ面から賛否両論があったかもしれませんが、ミニに乗ると楽しそうという印象もかなり強く残ったはずです。


よくある風景で、営業するにあたり、今回新規顧客か既存顧客とどちらにアプローチをしようか、
という話が挙がることがありますが、このキャンペーンではこういった問題を考える必要はなかったはずです。


このあたり、効率の良い販促、といえるのではないでしょうか。


コストは、当然のことながら憂慮するべき問題です。
広告をだすと、コストがかかります。規模が大きくなればなるほど、増加します。


今回のキャンペーンを実際に行ったのは、BSSPという広告会社です。
話によると「非常に安く仕上がった」とのことです。


一般的に車の販促では有名人を起用し、いかに素敵な毎日を過ごせるかといったイメージを抱けるように
作られているものが大半です。
Mini Motorbyではその有名人の役割をミニオーナーにしてもらっていることになります。
その分、余計にコストを抑えられたのかもしれません。


双方向の屋外広告は業界でも初の試みだそうですが、このような声を聞くと
実施を前向きに検討する企業が増えるかもしれません。


屋外で電波を飛ばして、本当に安全かどうか気がかりな面は残りますが非常に面白く、新しく画期的な試みです。
効率の良さを考えても、大変にすばらしいものだと思います。


挑戦した結果の成功、という事の運びが小気味良いキャンペーンだと感じました。



2007/11/13 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター