Markit Cart

スーパーマーケットやホームセンターに行くと、多くの店舗でスチール製のカートが置いてあります。
普段は買いすぎ防止のために使わないようにしていますが、お米を買うときだけはお世話になります。


生活に馴染み深いカートですが、オーストラリアではちょっと違った形のものが登場しています。
そこで今回はこのオーストラリアで登場したショッピングカート「MarkitCart」をご紹介したいと思います。


(http://www.markitcart.com/index.cfm[英文]より)


MarkitCartは2003年にDesign Award、2006年にQLD Design Awardを始め、数々の賞を受けたカートです。
受賞暦があるだけに、従来のカートとは異なる点がいくつもありますので取り上げてみたいと思います。


 従来のカートとの比較


 種類 金属製ショッピングカート MarkitCart
 
かご容量 100ℓくらい 227ℓ
サイズ W550×D850×H950 mmくらい W595×D1225×H1035 mm


 特徴


 安全面に配慮した構造

1.重心が下がる設計になっています



カートの中が斜めになっています。 
横から見ると分かると思いますが、ハンドル側の方が下がったつくりになっているため
物を置くと後輪側に傾き、重心が下がりハンドル側に負荷がかかります。


結果、バランスが取りやすい構造になります。
この位置に卵などのやわらかいものを入れないように注意が必要です。


2.車輪のサイズを大きくしました


従来のカートに比べ車輪を大きくすることで、接地面が広くなり安定します。

でこぼこした路面でも、スムーズに移動ができます。 

また前輪は360度回転しますが、後輪は固定されているので横方向への移動が起こらず、転倒防止に役立ちます。 


3.プラスチック製です


プラスチックなので、リサイクル素材でとても軽いです。
スチール製のカートよりも衝撃を吸収するため、
勢いあまったカートが車に衝突という事故があっても被害が小さく抑えられます。


また、セルフレジでも効果があります。
スチール製のカートはRFIDに干渉してしまうため、セルフレジを通る際にはカートから別のかごに移し変えなければなりませんでした。
しかしプラスチックはそのような干渉が起きず、そのまま通り抜けることができるため、
会計による待ち時間の減少につながります。


 特許をとった仕組み


1.ブレーキシステム
 
人が歩く早さと同等以上の速度(6km/h以上)が出たとき、
車輪のブレーキパッドが反応し自動でブレーキがかかるつくりになっています。
カートから物を降ろす際に勝手に動き出さないよう、車輪のブレーキパットと手動のフットブレーキが機能します。
少し坂になっていると勝手に動き出すカートもありましたので、大変ありがたい機能です。
速度の出しすぎによる事故もこれで防げます。


2.子ども用シート


15キロ、または二人まで乗せても大丈夫です。
安全バーがついており、誤って子どもが挟まってしまうこともありません。
スチール製の子ども用の席と同じように席ができ、椅子や板が勝手に動いてしまわないようにストッパーがかかるようになっています。
子どもがうっかり触れることの無いような位置についているので安心です。


 デザインが自由自在


中央部に広告2種類 + ハンドルの下にロゴ2種類 × 12色 = 48通りの組み合わせが可能です。
カートは荷を運ぶだけではありません。
カート自身が広告媒体となり、店内あちこちをお客様が回してくれます。
また側面の大きな広告は入れ替えが簡単にできるようになっています。


『カートはお客様が使うもの』という概念が刷り込まれていますが、
小売側にもメリットがあるカートはなかなか画期的なように思います。



建築家・デザイナーのマーク・フレーザ氏はカートのデザイン性を高め、広告媒体としても活用させ、
なおかつ安全面にも配慮したものへと生まれかわらせました。
高齢者がショッピングカートを押しづらそうにしているのを見たことをきっかけに、カートデザインに取り組んだそうです。
日常の不便から新しいものが生まれるのだと、改めて感じました。



MarkitCartについて紹介してきましたが、実際のところはどうなのでしょう。
安全面ではMarkitCartに軍配が上がりますが、使い勝手が良いのはスチール製のカートだと思います。


実際に生活の中でカートを使用しますが、横移動ができる機能は便利です。
MarkitCartで横方向へ行きたい時は回って移動するしかありません。
転倒の恐れは極めて少ないですが、少々手間がかかります。


また、従来のカートで上下段に分けて商品が置けるのもやはり便利です。
使い勝手に相当影響します。
MarkitCartでは大きなカゴに商品を詰めていくので、カゴの下の方にある商品を取り出すのは大変です。


消費者のコメントを読むと「良い」という声がある反面、


 ・いらないものを戻すときに大変

 ・食品が床に近いところにあるのは不衛生な気がする


という声がありました。


それでも、この大きなカートひとつで大丈夫なのは、オーストラリアではまとめ買いが普通だからです。
1週間分まとめて、カートが満タンになるくらいの量を買うのが一般的で、
一度の買い物額は200ドル(約21,000円)なんてザラのようです。


余談ですが、店舗の規模や商品サイズも抜群に大きいそうです。
野菜類も日本とは比べ物にならないくらい大きく、お肉などもまとめ買い用パックだと10枚くらい入っているそうです。
牛乳も4Lパックという、まるで業務用のものが家庭用で売っているとのこと。
どれだけ大きな冷蔵庫が自宅にあるのだろう、と不思議になってしまいます。



さて、ショッピングカートについて改めて考えてみたいと思います。


お店でよく見るスチール製のカートは、とても丈夫です。
多少重いものを乗せてもびくともしません。
子どもが乗っても壊れることはありません。


大きな長所なのですが、反面、カートが勢い余って車にぶつかると、カートが丈夫な分だけに傷も大きくなります。


写真のように、下の金属部分がちょうどよい足掛けとなり子どもが乗ったり、
カートの上で立ったりすることで転倒し、ケガをすることもありえます。


写真みたいに子どもが立ち上がらないように、ベルトがしっかりついているカートを準備するなどの予防策は当然必要になります。


スチールカートの子ども用椅子は、のっぺりした硬い板で、すわり心地が悪そうに見えます。
もう少しやわらかい素材だったら、立ち上がるような事故が少し減るのかもしれません。


通路の広い大きな店舗には子ども用カートもあります。
旗がたなびいているものもあり、どれもみなかわいらしいです。


ファミリー層の集客力アップを目的に作られた子ども用カートは、実際に子どもたちからは大人気で、
一度乗るとなかなか降りたがらない、などという声を聞いたことがあります。
お店側からすると、思惑通りのように思います。


このカート、小さな子どもは喜びます。
お母さんにとってもおとなしく座っていてくれているので助かるようです。
一方で、


 ・通路に飛び出した飾りが子どもの目の高さにあると心配

 ・ちょうど手が届くところにお菓子があり、知らないうちに子どもが手に取ってしまっている


などという声もあるそうで、すべてが満足するというのは難しいみたいです。


子ども用カートは席の周りがぐるりと覆われているようなものが多く、
他のカートと万が一ぶつかったとしても、子どもに直接ぶつかることはありません。


今までじっくり見たことはなかったのですが、子どもを対象にした製品はかなり安全に配慮した形をしています。



そんなカートですが、よくスーパーを利用する主婦の率直な声を集めたサイトがありましたので、
併せてご紹介したいと思います。


 ・カートの種類はそれなりに。大・中・小・子ども用があるとありがたい

 ・カード同士すれ違いができるように、ある程度の通路幅があるとうれしい

 ・カートのキャスターがスムーズに動かないのは嫌

 ・駐車場まで持っていけるといい(だめなところもあるようです)

 ・傘入れつきカートは助かる

 ・子どもが立ち上がらないような構造のカートだとよい

 ・100円入れないと使えないカートはすこぶる不評


使いやすさ、利用者の利便性を前提に物事を考えれば、ある程度の満足は得られるかと思いました。



2007/10/16 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター