世界最大のエコ掲示板・Beach’n Billboard

世界一大きな掲示板に、1ヶ月間自社の看板が出せる。
その上、環境にも大変やさしい。
そんなステキな販促方法を、今月はご紹介します。


「PLEASE DON’T LITTER THANKS!(散らかさないでくれてありがとう)」

このメッセージ、どのように掲示すると効果を出すでしょうか。


「~してはいけません」といった禁止や命令よりも

「~してくれてありがとうございます」といった感謝の言葉のほうが効果をより発揮するというのは有名な話です。


とはいっても、ちょっとした看板程度では、あまり効果がないかもしれません。
ですが、こうなっていたらいかがでしょう。


  

(http://www.beachnbillboard.com/[英文]より)


汚すどころか立ち入る人すらいないかもしれません。
少なくとも私はここに入っていく度胸はないですし、ゴミを捨てるなんて論外です。


メッセージが最大の効果を発揮するこのロゴ入り看板。
これは、「Beach’n Billboard」といい、直訳するとビーチの掲示板です。


写真の通り広大な海岸の砂浜に描かれています。
驚くことに、この製作者はプロではなく、市の清掃業者職員です。
毎朝の砂浜清掃を行なう時に、ローラーに型印を取り付けて一緒にこのようなものを作り上げているのです。


特筆すべきは、砂のみでつくられていることです。
看板作りにインクや糊、埋め込みの型などは一切使っていないので、大変エコロジーな広告です。


砂なので形をずっと完全に保っていることはありませんが半日くらいはキレイなままでいるようです。
あまり人が立ち入らない海岸だと、丸一日きれいなままなこともあるようです。


この掲示板は砂浜をきれいにというメッセージだけではなく、企業広告を出すことも出来ます。


海岸を提供する自治体と、広告を出したい企業と、

それを紹介斡旋する海岸美化団体のSupport A Beach Program(以下、SBP)が上手に協力しあってこの広告は完成します。
流れを簡単に紹介すると、以下のようになります。


まず自治体は、自分達が管理している海岸の広さや集客力、砂地か砂利か
整備方法や頻度など、ビーチの情報をSBPに登録します。

SBPは、登録されている海岸情報を公開します。
現在アメリカだけでなく、オランダ、プエルトリコでもこのサービスを実施しています。


一方、企業は公開情報から広告を出したい海岸を選び、SBPに連絡します。

すると、SBPから海岸を管理している自治体に連絡が行きます。
金額や期間などの見積もりを提出して、条件が合えば企業は晴れてスポンサーとなり、海岸にBeach’n Billboardを出せるようになります。


実際の砂浜作りには、ゴム印の型を使います。
これは自治体がSBPから支給(購入?)となります。
SBPは型と共にスタッフを自治体に派遣し、清掃用ローラーに取り付けたあと使い方を指導します。
こうして職員にマスターしてもらった後は、市が自分達で契約期間の間、清掃と一緒にステキなビーチを作り上げます。


SBPは一度指導に行けば大丈夫です。
自治体は砂浜清掃のついでに加工が出来るため、企業は目を引く広告をあまり苦労せず出すことが出来るのです。

それぞれが労少なく益を得ることができる。

そんな仕組みで成り立っています。


この広告を出すメリットも、結構うなずけるものがあります。


  • 企業にとって
    ・環境に優しい広告を打ち出すことによるイメージアップ
    ・テレビに比べて広告費が破格に安い。雑誌と大差ありません。
    ・マスコミに取り上げられる可能性もある。(取材例多数)
  • 自治体にとって
    ・短期間ではあるが、新しい収入源が増える。
    ・海岸のゴミ削減に効果がある
    ・なにより見た目が美しい。
    ・Beach’n Billboard見たさの観光客も狙える
    ・作成を職員で賄えるから、余計な人件費出費がない。

この広告、一般市民からの評判は上場です。
海岸を汚したくないという心理が一層強く働き、1シーズンでゴミが20%減ったという実例もあります。
環境に優しくゴミ減少にも役立ち、自然保護団体からのお墨付きもある広告方法です。


また、マスコミに取り上げられた例は、本当に沢山あります。
テレビのニュースやラジオ、雑誌にとどまらず、大学のマーケティングのテキストにまで使われました。

ビジネスモデルとしても大変に魅力的だという証拠だといえます。


ここで、具体的な金額や広告の大きさにも触れてみたいと思います。


基本料金 19000ドル(約220万円)
型代 3000ドル。2回目以降は2500ドル
(初回は約36万。2回目は約30万)
Beach Impact Zone
(広告を出せるエリア)
1/2マイル×200~250ヤード
(約800m×約180~230m)


広告エリアのことを「Beach Impact Zone」と呼んでいます。
800×200mと仮に考えると、東京ドーム3.4個分の広さになります。
ハリウッドの看板の約1/4サイズです。


タバコ、アルコール、性的なもの以外は、基本的に広告内容に制限はありません。


また、1つの砂浜にスポンサーが重ならないように配置しています。
競合他社とかち合ってしまうようなこともありません。
その辺りは企業としても安心してスポンサーになれるのではないかと思います。


参考までに、日本の一般的な広告費もご紹介します。


  制作費 権利
テレビ 2000万~3000万円 3~10億(放送費用)
雑誌 200万 100~300万(掲載費用)
BeachBillboard 230万 なし(型で35万)


雑誌並みの広告料金で、あわよくばテレビに出ることもあります。
もしかしたら、破格に安いのかもしれません。


この広告、過去にピーナッツバターで有名なSKIPPYや清涼飲料水メーカーSnapple、

SUPERBOWLの大会告知など様々な目的で利用されています。


お菓子や食品メーカーが比較的多い傾向にあります。

他には、短期的なイベントなどです。


食品メーカーが、環境に配慮した広告宣伝方法を使うのは、大変理に叶っているように感じました。
消費者に与える安心感というのは、ひとしおなのではと思います。


このサービスは色々なところに良い影響を及ぼしています。
よくWin-Winの関係などといいますが、勝者がいれば敗者もいるわけで結局どこかで泣いている人がいることになります。


ですが、この仕組みだと色々なところが幸せになっています。
Happy-Happyです。

ものすごくいいことだと思います。


・・・受け売りの言葉なのですが、まさしくぴったりだと思いました。



2007/06/12 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター