CMの祭典・Super Bowl

アメリカでは年に一度、2月の第1日曜日ごろ街という街が静かになる日があります。


それは、アメリカンフットボールの大会「スーパーボウル(Super Bowl)」の試合があるからです。
NFCとAFCそれぞれの優勝チームの間で争われる、NFL優勝決定戦です。
アメフト最高の大会であり、アメリカ最大のスポーツイベントといわれています。
ちなみに、スタジアムがサラダボウルのような形をしているためスーパーボウルというそうです。


そんな試合なので観戦するのは、それはもう大変な事のようです。
ものすごいプラチナチケットで入手困難はもちろんのこと、誘拐事件の引渡し条件にもなったことがあるそうです。


この大会に参加できることは、選手にとってスタープレーヤーの証でもあり最大の名誉ともいえます。
また、開催地にも厳しい条件があるため、その場所に選ばれることも名誉と言えそうです。
ただ、試合が2月ということもあり、開催地選びは暖かい地域の方が有利なようです。
だからでしょうか、マイアミ開催が多いらしいです。


開催地のみがにぎやかで、他の街が静かになるほど熱狂的なスーパーボウル、当然テレビの視聴率も半端ではありません。
毎年40%を越え、2007年は42.6%との発表がありました。
推定視聴者数は9320万人と、規模が違います。
チーム人気ももちろんありますが、寒波の影響で恐ろしく寒く、外に出る人がいなかったというのも理由のひとつのようです。


9320万人が見ているスーパーボウルですので、番組中に流れるCMにも力が入ります。
各大手企業がスーパーボウルの為だけにCMをつくります。
この1日限定放送のものも珍しくありません。そして、金額も半端ではありません。
30秒CMの媒体費として260万ドル(約3億1200万円)、
CMの制作費に200万ドル(約2億4000万円)をかけるといわれています。


アメリカのビジネス会議で、「スーパーボウルに広告を出すことも可能だけど」などと
引き合いに出されることもしばしばで、これは「莫大な広告費を使って広告宣伝すること」と同じ意味になるのだそうです。
ですからスーパーボウルのCM枠をどの会社が買い、どんなCMを流すのかは毎年話題にとりあげられます。


広告主の常連さんも当然います。
バドワイザー、コカ・コーラ、ペプシコ、トヨタ、FedExなどは最たるもので毎年練りに練ったCMを作ってきています。


そんな気合の入ったCMたち、見応えたっぷりです。30秒じゃ物足りません。
全部のCMが、http://www.ifilm.com/superbowlから見られます。
独断ですが、個人的にお気に入りのCMをご紹介したいと思います。
リンク前の番号は、上記サイトと対になっています。


45. Coca-Cola: Happiness FactoryCoca-Cola(http://www.ifilm.com/video/2819662/collection/18373/minisite/superbowl)
文句なしに楽しいCMです。ディズニー映画的雰囲気もあるし
毒を抜いたようなチャーリーとチョコレート工場的雰囲気が大好きです。
これは、日本版もあります。見たことがあるかもしれません。
49. Taco Bell: LionsTaco Bell(http://www.ifilm.com/video/2819663/collection/18373/minisite/superbowl)
ライオン、どうやってしゃべっているんだろう、という口の動きに釘付けです。
60. Budweiser: Beer-Stealing CrabsBudweiser(http://www.ifilm.com/video/2819747/collection/18373/minisite/superbowl)
カニ目線だとラックはこのように見えるのかもしれません。
何よりカニがかわいい。ほんとにかわいい。
くだらないかもしれませんが、大好きです。
20. Coca-Cola: Grand Theft AutoCoca-Cola(http://www.ifilm.com/video/2819652/collection/18373/minisite/superbowl)
ちょっとステキです。竹中直人かなだぎ武の声をあてはめたい。
22. Garmin: Ultraman(http://www.ifilm.com/video/2819691/collection/18373/minisite/superbowl)
ウルトラマンの顔が、私が知っているものと違います。
少し古いのでしょうか?
21. Budweiser: Fake DalmatianBudweiser(http://www.ifilm.com/video/2819653/collection/18373/minisite/superbowl)
この犬やるじゃない、という小気味よさはあるのですが
犬が悲しそうな顔をするのを見ると寂しくなるので、
私にとっては次点作品です。

※音なしで見ての結果です。


CMは、日本と随分違います。
パソコンのマウスを本当のネズミにし、巨大ネズミがそのマウスを操るCGだとか、
ビールが欲しいばかりに相手を思いっきり殴ったりするような日本だとクレームが付きそうな内容が、普通に流れています。
文化や感覚が違うことがよく分かるCMだと思います。



今までCMはその日テレビの前にいなければ見ることは出来ませんでした。
また見たいCMがあっても、それが必ず見られるとは限りません。


しかし、高速・大容量データ通信が実現するネットワークサービスのブロードバンドがインフラとして定着し、様相は一変しました。
CMがYouTubeなどの動画サイトにどんどん掲載され、何度でも見られるようになりました。


これはよいところでもあり、怖いところでもあります。
CMが注目されるため、一度悪い噂や口コミが立つと、それが一気に広まります。
放送中止したとしても、動画サイトには延々と残りつづけてしまいます。
削除しても誰かがまたUPする。堂々巡りです。


今年はGMのRobotというCMがそれに当たりました。
ライン作業でボルトを落とすというミスをしたロボットが工場をクビになってしまう。
次の職を探すもなかなか雇ってもらえないず、落ち込み打ちひしがれたロボットは橋の上から身を投げて自殺する。
そこで夢から目を覚ますという内容です。
ロボットが本当に悲しそうな顔をするので涙を誘います。


「GMはクオリティを厳しく追求しています」ということを訴えたかったのですが
自殺防止団体からのクレームがつき、急遽放送を中止するという事態になりました。

最初は自殺防止団体からの要求を受け入れませんでしたが、あるコメディ番組が、
このCMを題材にしたパロディを放映し、問題が大きくなりました。
結果、心の病に悩む人々を支援する団体と自殺防止関連団体からの激しい批判にさらされ、
CMの悪い口コミがどんどん広まり、最終的には放送中止となりました。


スニッカーズのCMも同性愛者からの反発があり、陳謝の上テレビ放送中止と自社サイトからそのCMの削除を行なっています。

米国ではあらゆる差別に敏感です。男女の性差・人種・宗教・年齢・体型など、いろいろです。
同性愛はその中でも特に敏感なものです。うかつに触れてはいけないテーマだったのでしょう。
何においても、嗜好性が極端なものは公の電波に乗せてはいけないことを改めて実感しました。



スーパーボウルのCM合戦はやはり注目の的です。
こんな、いわゆるCMの祭典的番組があるというのはいいものだなと思います。
企業にとっても張り合いがあるかもしれません。


逆にCMがすごいからこの番組を見る、という誘導手法もありなのかなと思いました。



2007/05/15 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター