嗅覚に訴える販促

うどん屋でカレーうどんの匂いがすると無性に自分も食べたくなったり、
たれの焦げる匂いがしてきてうなぎや焼き鳥を食べたくなったり、こんな経験は誰しもがあるのではないでしょうか。
食べ物でなくても気になる匂いやふと感じた匂いで何かを思い出す、といったことは少なからずあると思います。


アメリカで出版されている『Advertising Age』という雑誌によると、

「嗅覚へ訴えること」こそ2007年最大の広告トレンドとのことです。
昨年も相当額が嗅覚に関するマーケティングに費やされています。


香りを使った販促活動には、

「商品の販促」と「商品や企業イメージの定着」といった目的が考えられます。

ここで、それぞれの香りを使った事例をご紹介します。



 商品の販促のための香りを使った販促事例

 

 M&M’Sの事例


カスタマイズフードでも登場したチョコレートブランドM&M’Sです。
旗艦店の売り場を、チョコレートの香りいっぱいにして販売活動を行いました。
(多分、ラスベガスとオーランドだと思われます)
色んな販促活動にチャレンジしている企業です。


 Pedigree


日本でも有名なペットフードメーカーです。
スーパーマーケットやペットショップのペットフードコーナーに、ドッグフードの香りのするシールを貼っての販促をしました。


 Got Milk?


カリフォルニアの牛乳協会が「Got Milk?」広告キャンペーンを行いました。
その一環として、サンフランシスコを走るバスにチョコレートクッキーの匂いのするシールを貼付しました。

アメリカ人はクッキーを食べるときに牛乳を一緒に飲むので、
「クッキーの匂いをかぐ→牛乳が飲みたくなる」という作用を見込んでのことだそうです。


もうひとつの目的である商品イメージ、企業イメージの定着を目的とした販促例は、ホテルや飲食店によく見られます。
特にホテルは積極的に導入し、実際に効果が現れているようです。


 商品や企業イメージの定着のための香りを使った販促事例


 オムニホテル(OMNI HOTELS & RESORTS)


お茶とレモングラスを配合した香りをホテルのロビー内に漂わせています。
お茶の癒しと柑橘系のさっぱりした爽やかな香りを通じて、お客様に清潔感と好印象を抱かせる事が目的です。
また同時に、全国各地のホテルチェーン全体でこの香りを漂わせることにより、
「あ、この匂いはオムニホテルだ」というブランド芳香も目指しているそうです。


 フォーポイント バイ シェラトンホテル(FOUR POINTS BY SHERATON)


焼き立てのパイの香りを館内全体に漂わせています。
自宅でくつろいでいるような気分にさせることが目的のようです。



香りがもたらす作用と効果についての科学的な解明はなされていません。
が、実際に効果をもたらす事実を考えると、取り組むことを検討する余地はあるように思います。


ただ、この販促は成功ばかりではありません。

「Got Milk?」広告は残念ながら数日で中止となりました。
特定の匂いにアレルギー反応がある人がいます。公共の場で妙なことをしないでくれという苦情を、
地元擁護団体から受け、交通局の規制にひっかかってしまったからです。


このような例にもあるとおり、香りは好みや体質によるところがあるため、販促に使うと諸刃になる可能性は否めなそうです。
国民性なるものがあるのでしょうか、日本人は匂いに対して非常に敏感だといわれています。
ですから、注意を払って展開する必要があると思います。


しかし嗅覚は他の5感に比べて原始的というか、意識の中にそっと入り込みやすいように思います。
子供の頃に通ったプールの匂いや、通学路に茂った木々の匂い、いつも食べてた料理など
ちょっと触れただけでたちまち蘇るような、そんな繊細さをもっています。


これほどのものですから、視覚効果などと一緒に使うと、非常に強い販促へとつながるかもしれません。

ただ、私個人としては、やはり香りはたしなみ。ほどほどがよいように思います。



2007/04/17 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター