世界三大広告賞とグランドクリオ

この時期は、「カンヌライオンズ」、「One Show」、「CLIO AWARDS(クリオ賞)」と
世界三大広告賞の祭典が次々と開催されます。


そこで今回は、それぞれの広告賞と
クリオ賞でグランドクリオを受賞した作品に少し触れてみたいと思います。



まずは、世界三大広告賞と言われる祭典を簡単にご紹介します。

 

 カンヌライオンズ(旧:カンヌ国際広告祭)

 

1954年に創設され毎年6月中旬ころに開催される、世界で最も威厳のある広告賞です。
今年から「カンヌ国際広告祭」から
「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」(通称:カンヌライオンズ)と改名されました。


もともと映画館で上映される広告(シネアド)を対象としてスタートしたカンヌ国際広告祭は、
広告の多様化に部門を増やすことで対応してきました。
しかし近年急激に変化する業界に、広告という言葉では表せなくなりました。
そこで名称を広告ではなくクリエイティビティとすることで、創造性や想像力を競い合う場にしました。
業界全体の発展に対する思いも込められているのです。


この広告祭ですが、2011年は6月19日~25日まで開催され、
その後公式ホームページで1ヶ月間程度の期間限定で各部門の受賞作品などが見られます。


 One Show


1920年代から二つの団体が別々に運用していた広告賞
「The Art Directors Club」と「The Copy Club」を1974年に一つ(One)に統合し、
第一回One Showを共同開催したことがはじまり。
毎年5月上旬ころにアメリカの都市ニューヨークで開催されます。
世界的なクリエイターが審査を行い、個人の技能を評価する点が特徴です。

2011年は5月9日~13日に開催されました。


 CLIO AWARDS(クリオ賞)

 

1959年に創設され、毎年5月中旬ころに開催されます。
アメリカの広告界を勢いづけるため、同時に広告の質の向上をはかるために創設されました。
広告そのものを総合的な視点から審査するのが特徴です。

2011年は5月19日に開催されました。



今回はグランドクリオを受賞したものの中から
個人的に興味を持った2つの作品に触れてみたいと思います。


グランドクリオとはクリオ賞で金賞にノミネートされ、中でも特にすぐれている作品に贈られます。
2011年は4作品が受賞し、どの作品も情報提供や知ってもらうことだけでなく
アクションにつなげるというところは共通していたように思います。


では早速、一つ目の作品に触れてみたいと思います。


 American Express OPEN Small Business Saturday



(http://www.clioawards.com/winners/winners.cfm?winners_year=2011&medium_id=8[英文]
 より、動画の一部を抜粋)


Content & Contact部門のグランドクリオ受賞作品です。
クレジットカードなどの金融事業で有名なアメリカン・エキスプレスは、
スモールビジネスサタデーという特別な日をつくりました。


アメリカでは毎年11月の第4木曜日はサンクスギビングデー(感謝祭)です。
その日は全米が祝日となり、多くの州では翌日の金曜日も祝日扱いとなるため、
4連休のサンクスギビングホリデーを楽しむ習慣があります。
この金曜日は一斉にクリスマス商戦が開始され、
小売業の収益が黒字になることからブラックフライデーと呼ばれています。
さらに最近では4連休明けの月曜日はネットショッピングでプレゼントを購入する人が多いため
サイバーマンデーと呼ばれています。


アメリカン・エキスプレスは地域コミュニティー活性化に貢献するという方針で、
さまざまな企画を提供してきました。
今回もそのミッションに基づき小売店を対象にブラックフライデーとサイバーマンデーの間の土曜日を、
スモールビジネスサタデーという特別な日として始動したのです。


具体的には、スモールビジネスサタデーに賛同した先着1万件の小売店に
Facebook上で100ドル分の広告スペースを無償で提供するというもの。
そしてアメリカン・エキスプレスのカードメンバーに対しても恩恵を提供するため、
この企画に賛同した先着10万名にはFacebookに掲載された企業で商品を購入すると25ドルを還元しました。


スモールビジネスサンデーはTwitterでもつぶやかれるなど、
FacebookやTwitterのSNSを駆使したキャンペーンとなりました。
新たな試みにSNS以外にテレビでも大きく取り上げられたことで大反響を呼びました。


小売店にとってはSNSにより知名度アップに加え、売上げ増加が見込めるメリットがあります。
消費者にとっては価格還元というメリットがあり、
アメリカン・エキスプレスにとってはカードの新規申込や使用率の増加というメリットがあります。
誰にとってもメリットのあるこの企画は、大成功を収めたのです。


※SNS … Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略。
       インターネット上で構築する、人と人とのつながりをサポートするコミュニティ型サービスのこと。

 
続いて、二つ目の作品です。



 WWF SAVE AS WWF

 


(http://www.clioawards.com/winners/winners.cfm?winners_year=2011&medium_id=5[英文]
 より、動画の一部を抜粋)


Innovative Media部門のグランドクリオ受賞作品です。
世界自然保護基金のWWFが自社のサイトでWWF形式で扱うツールを配布しました。


このWWFファイルはPDFファイルとさほど変わらないのですが、
決定的な違いは印刷ができないこと。
そして、WWFファイルの最終ページには環境保護を訴えたメッセージページが追加されます。


印刷するためには紙が必要となり、
紙は木から作られているので必要以上に印刷することは自然破壊につながります。
森林保護のために、印刷量を減らす取り組みを提案していますといったことがメッセージに込められています。


意識的にWWF形式を使うことで、環境への意識を高めるツールとなっています。
拡張子を使った新しいタイプのキャンペーンとアイデアが大きく評価されました。



さまざまなアイデアに出会える広告賞。
他にも広告を評価する祭典はたくさんあります。


今後の販促や企画、マーケティングのヒントに
世界の作品に触れてみるのも良いのではないでしょうか。



2011/06/23 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター