ストアコンパリゾンから学ぶこと・3

定期的に実施しているストアコンパリゾンで、
ユニバーサルデザインフォントを使用したPOPを展開している店舗を見てきました。


そこで、今回はユニバーサルデザインフォントと
ユニバーサルデザインを意識した通常フォントについて触れてみたいと思います。


過去のストアコンパリゾン記事に関しては下記からご覧ください。


 「ストアコンパリゾンから学ぶこと
  → ストアコンパリゾンとはから売り場展開の一例と登録販売者の実例をご紹介
 「ストアコンパリゾンから学ぶこと・2
  → 顧客として店舗を見た印象や感想をご紹介



 ユニバーサルデザインフォント

  

まずユニバーサルデザインとは、1980年代にアメリカのロナルド・メイス氏が提唱した、
すべての人に使いやすい見やすいデザインのことです。
高齢者用とかハンディキャップ用という意味とは少し異なります。


ユニバーサルデザインフォントとは「ユニバーサルデザインに基づき改良されたフォント」のことです。
現在、製品や高速道路の標識、公共機関の案内板、販促物などさまざまな場面で使用されています。


2006年にパナソニック株式会社と株式会社イワタで共同開発した
「イワタUDフォント」がユニバーサルデザインフォントのはじまりと言われています。


弱視という障害に加え、高齢化社会が進み老眼や白内障など視力低下に悩む人が増えています。
一方で製品の多機能化や高機能化、小型化が急速に進んでいます。
このような環境において、誰にでも見やすい文字が必要だと考えられ
ユニバーサルデザインフォントが開発されました。


イワタUDフォントは、読みやすく誤読されにくいを基本コンセプトに、
「視認性」・「判読性」・「デザイン性」・「可読性」という4つの観点から開発されました。
http://www.iwatafont.co.jp/ud/index.html#02より)


 ・視認性 … 文字ひとつひとつの構成要素を視認しやすくする
 ・判読性 … 誤読しにくく、他の文字との判別をわかりやすくする
 ・デザイン性 … シンプルさ、美しさ、整理、整合性をもつ
 ・可読性 … 文字列としての単語・文章の読みやすさ


こうしてイワタUDフォントは、その時代の感性価値が生活者の支持を得て様式に至る
完成度を持つものと認められ「2009年度グッドデザイン・ライフスケープデザイン賞」を受賞しました。


現在、ユニバーサルデザインフォントは各社から提供されていますが、
そのフォントを使用するためには費用が発生します。
そこで、私たちが日常で使用しているフォントについて触れてみたいと思います。


  ユニバーサルデザインを意識した日常で使用しているフォント

  

私たちが日常で使用しているフォントは見にくいのか?


選ぶフォントと使い方によって見やすさは変わってきますが、
決して見にくいわけではありません。


そこで、日常で使用しているフォントの「視認性」「判読性」「可読性」を考えてみました。


  視認性 


  フォント以外にも、タイトルや見出しなど重要なところを目立たせたり、
  全体のバランスを意識することが大切になってきます。
  目立たせる際は「太いゴシック体」を使用することで視認性が高くなると言われています。
  しかし、太すぎる書体はつぶれて見にくくなるので注意が必要です。


  また、行間や文字間が狭すぎても広すぎても視認性が低くなるので
  行間や文字間などのバランスも重要になってきます。



  判読性 


  フォントは一般的に「ゴシック体」が見やすいと言われています。
  そこで、普段私たちが使用しているゴシック体を詳しく見てみました。


  ●つながりがない       ●スペースが広い       ●ループが広い
             


  ●濁点・半濁点が判別しやすい    ●漢字と仮名で差別化されている
             

 
  ●似た形状の文字を判別しやすくしている
   


  上記のような特徴があるため見やすくなっています。
  ゴシック体とユニバーサルデザインフォントとの違いは、
  上記の特徴に加え飛び出しの削除などいくつもの工夫が加えられていることです。


  <ゴシック体とユニバーサルデザインフォントの比較>
   飛び出しの削除の例
       

       

  基本的なことですが、
  フォントを引き延ばしたり縮めたりせずに元の比率で使用することが重要です。
  せっかく見やすいユニバーサルデザインフォントを使用しても、
  フォントの良さを活かせなければ判読性が低くなります。


  フォントは大事な訴求ツールです。
  目立たせるためや他との差別化をはかるために意図的に個性的なフォントを使用する以外は、
  判読性の高いフォントを使用する方が見やすくなります。


  可読性 


  長い文章の可読性を高めるには、新聞などのように「明朝体」がよいと言われています。
  また、太い書体は多くの文を読むのに疲れてしまうため、細い書体が適しています。


  しかし、さまざまなフォントが乱用されているのも可読性が低くなるので、
  今まで使われていた細い書体を使うことが可読性を高めます。


以上のように私たちが日常で使用しているフォントも、
ユニバーサルデザインを意識することで十分見やすく表現することが可能となるのです。



見やすさを心がけるには、見やすいフォントを選ぶだけでなく
サイズや行間、文字間など全体的に意識しなければなりません。


ストアコンパリゾンからPOPや販促物にもユニバーサルデザインフォントが使用され
見やすさにも意識されていることを感じました。
節電対策のひとつとして間引き照明が実施され、以前より薄暗くなった店内で
目立つだけでなく見やすさにも重きが置かれるのかもしれません。



2011/06/23 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター