購買意欲が高まるレシート

7月から9月にかけては夏休みや連休を利用して海外旅行を満喫する人も多いのではないでしょうか。
社内でも休みを利用して海外旅行に行った方がいました。
その方から海外の販促事例を探している私にとって、とてもすてきなお土産をいただきました。
それが、下の画像になります。


 


これは、台湾のレシートです。
このレシート、ちょっと面白い工夫がされているのです。


今回はこのレシートについてご紹介したいと思います。



 台湾のレシート

 

一見、普通のレシートのように見えますが、実は「宝くじ」になっています。
レシートの作りは、上部が2文字のアルファベットと8桁の数字、
真ん中部分は通常のレシート、そして下部は広告スペースになっています。
上部の8桁の数字が宝くじになっています。


このレシートがなぜ発行されるようになったのか詳しく触れてみたいと思います。


 レシートに宝くじが付いた理由


このレシートは企業が実施している販促ではありません。
国が支援して宝くじを付けているのです。
ですから、路面で簡易的に出しているお店などのレシートが発行されないお店以外は、
どこの店舗で買い物をしても宝くじ付きレシートがもらえます。


そもそも、なぜレシートに宝くじが付いたのでしょうか。
その理由は、脱税を防ぐため。


台湾では、領収証やレシートを発行する習慣が普及していませんでした。
また売り上げを自主申告し営業税(日本の消費税)を納めるため、脱税が多くありました。


こういった環境を防止するために、政府は1951年から宝くじ付きレシートを実施しました。
政府の発行する公のレシートに通し番号をつけ、
店舗側がレシートを発行すると政府に販売金額の5%が税金として入ります。
レシートには宝くじを付け、消費者側にもレシートをもらうメリットをつくり、
確実にレシートを発行させる仕組みを考えたのです。


消費者側は買い物と同時に宝くじが手に入るためレシートを必ずもらうだけでなく、購買意欲が高まります。
店舗側は他社との競争もあるので宝くじ付きレシートを発行しなければならなくなります。


小額でも高額でもレシートの枚数は変わらないため、まとめ買いではなく小まめに分けて買い物をする人もいますが、
さほど問題はないため実施当初から制度の変更などはありません。
大きな小売店などでは、指定の印刷会社で独自にロゴや宣伝の入ったレシートを作成することができます。
宣伝効果以外にも安定した企業というアピールにもつながるため、独自で作成する小売店が増えています。


この結果、税収の変化は実施当初の1951年では5100万元でしたが、
宝くじ付きレシートが広まった1952年には1億600万元と約2倍以上も増加しました。
また、商品の売り上げも増加するなど、
政府側と店舗側、消費者側全てにうまみのある制度として普及し、現在でも続けられています。


最近では、レシートの寄付というものもあります。
直接お金を寄付するのではなく、お金になる可能性のあるレシートを寄付しています。
実際に日本円にして約数百万円程度になった実績もあり、レシートの寄付は決してあなどれません。
膨大なレシートの番号を調べることは手間と時間がかかりますので、ボランディアが行っています。


 気になる当せん発表日・金額・換金方法


ちなみに、当せん発表日と金額、換金方法についても少し触れてみたいと思います。
当せん発表日は2ヶ月に1度、奇数月の25日に抽選が行われ26日に発表があります。
例えば、9月と10月に買い物をしたレシートの当せん発表は11月26日になります。


当せん金額は、以下のようになっています。



レシートは買い物をした分だけ発行されるので、当せん確率はとてつもなく低いのが現状です。
そんな中、見事当せんした場合はレシートの裏面に名前や住所を記入します。
換金方法は1万元以上の金額の場合は、レシートをいったん預かり、
発行した店舗側がもつ原紙と照合し、不正を防止します。
1万元未満の金額であれば、コンビニや郵便局、指定の銀行で即座に換金が可能となります。
換金されない場合は、年度内の当せん支払額に回すそうです。


台湾に住んでいる人以外や外国人が当せんした場合でも、当せん金額を受け取ることが可能です。
しかし、現地でしか受け取ることができないなど困難が強いられそうです。



全ての立場の人にうまみがある、なかなか面白い制度だと思います。
こういった気付きや発想、今後の販促提案の参考にしていきたいと思いました。



2011/10/21 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター