傘袋を活用した広告

9月下旬から10月中旬にかけて、比較的雨の降る日が多いように感じます。


それは季節が移り変わるこの時期、
夏の間に本州一帯で猛暑をもたらした太平洋高気圧が南へ退き、
大陸の冷たい高気圧が日本海や北日本方面に張り出すため。


この性質の異なる二つの空気がぶつかる場所は大気の状態が不安定になり、
秋雨前線が発生します。
そしてこの前線を挟んで夏の空気と秋の空気とが押し合いをしているため、
前線が南下したり北上したりして雨の降る日が多くなるのです。


雨が降ると必ずと言うほど、
ぬれた傘を入れるための無地や透明のビニール袋が店頭に置かれています。
それは、ぬれた傘をそのまま店内に持ち込むと床がぬれて滑りやすくなったり、
商品がぬれて駄目になってしまったりするのを防ぐためです。


雨が降るとお世話になるこの傘袋、海外でも店頭に置かれているところがあり、
広告スペースとして活用しているところもありました。
そこで今回は香港にあるLLCS株式会社が展開した、
傘袋を活用した広告をご紹介したいと思います。



 傘袋を活用した広告



(http://www.llcs.org.hk/index.php?tn=local-charity-detail&ncid=4&nid=145&lang=tw[中文]より)


上の画像は雨の降った日に店頭に置かれている傘を入れるためのビニール袋です。
日本でもよく見かけると思いますが、ほとんどが透明か無地のビニール袋。


画像の傘袋には何やらイラストが描かれています。
下の画像は、この傘袋を拡大したものです。



傘袋は3種類あり、それぞれこんなことが書かれています。


●左側の傘袋。
  「中国の乾燥地帯では、これだけの量のきれいな水を集めるために半日かかります。」
●真ん中の傘袋。
  「中国の乾燥地帯にいる人たちは、ここにたまった水をきれいな水だといいます。」
●右側の傘袋。
  「中国の乾燥地帯にいる子どもが一日に口にする水の量は、
   ここにたまった水より少ないです。」


この傘袋に実際傘を入れてみると、下の画像のようになります。



いかにもバケツの中に水が溜まったように見えます。
この雨水が乾燥地帯では恵みの水、これを伝える広告になっています。


わりと雨が多い日本では、「水不足」に対する意識が低いように思います。
それは香港の人たちにとっても同じだそうです。
そこで、中国東北部は雨が少なく水不足に悩まされていることを少しでも訴えようと、
LLCS株式会社は傘袋を活用し広告展開を行ったのです。


この広告の目的は、雨の日という場面と具体的な雨水の量から
乾燥地帯での水不足の大変さを想像させ、
募金などひとりひとりに行動させるきっかけを作ること。


傘を入れるビニール袋は多くが透明か無地のため、
文字が書いてあるだけでも何が書いてあるのか興味を引きます。
そして、傘を袋に入れるときや出すときには必ず目にするので、
見てもらえる可能性は高いと言えます。
さらに、目に見える具体的な雨水の量を例にすることで
水不足の深刻さが容易に想像でき、行動を起こすきっかけ作りになるのです。


普段何気なく使っている傘袋を上手く活用した印象に残る広告です。



最後になりますが、この広告は意外と手軽に実施でき、
具体的な光景が想像しやすいという広告アイデアが評価され、
カンヌ国際広告祭の屋外広告の金賞を受賞しました。


具体的な量や数値は広告を展開する上で効果的だと感じました。
この記事を書いてから店頭に置いてある傘袋を見るたびに
何か有効活用ができるのではないかと思うようになりました。



2010/10/14 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター