クーポン看板で知名度アップ

2010年6月下旬、FIFAワールドカップが開催されました。

各国のサポーターたちは熱気を帯びていたように思います。

ドイツ・オーバーハウゼン水族館のタコ(パウル君)が勝敗を予想するなど

ユーモアなニュースもあり、決勝まで目が離せない大会でした。


ちょうどその頃、広告のワールドカップとも呼ばれている、

カンヌ国際広告祭も開催されていました。

この広告祭は、毎年6月下旬フランスのカンヌ市で開催されています。

2010年は6月20日~26日の1週間開催されていました。

毎年部門を増やし続け、それぞれの部門で金・銀・銅賞が贈られます。

今年は一体どんな作品がノミネートされているのだろうか。


そう思い、カンヌ国際広告祭のサイトをのぞいてみました。



すると、見覚えのある画像を見つけました。

それが、こちら。


(http://www.canneslions.com/work/outdoor/index.cfm?award=3[英文]より)


日経MJの「売り方米国流」という記事に、

以前取り上げられていたビール看板のクーポンです。


2010.05.28掲載記事


この作品は、アウトドア部門の銀賞にノミネートされていました。

そこで、今回はこの広告を詳しくご紹介したいと思います。



 クーポン看板で知名度アップ

 

これは、カナダ・トロント地方のJAMES READY BEER社が展開した広告です。

1本1ドルで20~25歳までの若者に人気のあるビールだそうです。

しかし、売り上げが下降気味であることを受け、

「ビルボード・クーポン」という広告看板を展開したのです。

それは、看板そのものがクーポンになっていること。

その看板を携帯電話やデジタルカメラで撮影し、店舗に見せるだけで割引きになるのです。


この販促が、工夫されているのはこれだけではありません。

パッと見たところ、ビール会社の看板にしか見えないかと思います。

しかしこの看板には、自社商品の割引きクーポンではなく

他社商品の割引きクーポン情報が描かれているのです。

自社の宣伝は商品画像と社名くらいです。


その看板は下のようなものです。


    


左の画像は、「TWO HOLES PIERCED FOR THE PRICE OF ONE.」と書かれています。

ピアスの穴を両耳開けるのに片耳分の料金でできるクーポンです。


他にも、真ん中の画像には、「15% OFF COUPLES HAIR REMOVAL.」と書かれています。

脱毛が15%オフでできるクーポンです。


右の画像には、「SAVE $2.26 ON STAIN REMOVAL FROM PANTS.」

(SOME STAINS EXCLUDED)と書かれています。

ズボンの染み抜きが2.26ドルでできるクーポンです。


これらの看板は、どれもクーポンの内容が異なっているだけで

基本的なレイアウトは変わりません。

看板の緑色の部分には「これをカメラで撮影してください。」

という文言と携帯電話のイラスト、クーポン対象店舗の場所が描かれています。


説明通りこれらの看板を見つけたら、カメラ付き携帯電話やデジタルカメラなどで撮影し、

対象の店舗に行って画像を見せるだけで利用できます。

印刷する必要がないので手間がかからず、資源の削減にもつながります。


ではなぜ自社商品の値引きクーポンを載せないのか。

これも戦略のひとつなのです。

地元の店舗と協力して日常生活で必要な商品のクーポンを掲載し、

使用してもらうことで節約することができます。

その節約によって浮いたお金でビールを買ってもらおうというもの。


看板に掲載さている店舗側には売上げ増加というメリットがあります。

JAMES READY BEER社側には売上増加だけでなく、

お酒を飲まない人にも企業アピールができるというメリットがあります。


この奇抜なアイデアと戦略が評価されて、

カンヌ国際広告祭に見事にノミネートされたのです。



最後になりますが、看板そのものをクーポンにしてしまうというこの大胆な販促は、

カメラ付携帯電話の普及で手軽に撮影ができるという時代背景に合っていたからこそ

効果があったのだと思います。


そして、ビール会社でありながらビールを飲む人以外にも目を向けたクーポンを掲示することで、

より多くの人に興味が沸く看板を作り上げました。

その意表を突くアイデアと戦略で知名度を上げることができたのだと言えそうです。



2010/08/17 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター