売上げを2倍以上にした仕組み

2月1日にスーパーマーケット・トレードショー2012に行ってきました。


そこで「景気後退期における小売業の成長・米国小売企業に学ぶ不況に負けない成長戦略」という、
基調講演がありましたので、聴講しました。
その講演は、製品-市場成長マトリクスをもとに各戦略を実施した米国小売業の事例を挙げていました。


そこで今回は中でも個人的に興味を持ったマーケティングについて取り上げてみたいと思います。



まずは、製品-市場成長マトリクスについて少し触れたいと思います。




① 市場浸透
既存市場の中で、既存商品の販売を伸ばす成長戦略。
例えば既存顧客に広告や値引きなどを通じて、既存商品をより多く購入してもらうことがこれにあたります。


② 市場開拓
新しく市場を開拓して、既存商品の販売を伸ばす成長戦略。
例えば国内向けの商品を海外にも販売することがこれにあたります。


③ 製品開発
既存市場の中で、新商品を開発して販売する成長戦略。
例えば製品のモデルチェンジやバージョンアップがこれにあたります。


④ 多角化
新しい製品分野で新しい市場分野に乗り出し、新しい事業を展開する成長戦略。
例えば空港会社が音楽流通ビジネスを展開するといったことがこれにあたります。


では早速、①の市場浸透に該当するマーケティングについて掘り下げてみたいと思います。


 Guiding Stars

 

アメリカのスーパーマーケット「ハナフォード」が2006年に研究者の力を借りて開発した、
健康的な食品を消費者に分かりやすく識別させるための仕組みです。


この仕組みは米国の消費者が健康に興味を持ち始めたことと、
栄養表示区分がメーカーごとに異なり、複雑で分かりづらいため開発されました。


具体的には健康に良い食品の度合いに応じて金星をつけるというもの。
1つ星のグッド、2つ星のベター、3つ星のベストで表示します。



http://www.hannaford.com/home.jsp[英文]より、一部抜粋)



http://guidingstars.com/fitness-and-weight-loss/guiding-stars-make-nutritious-food-shopping-elementary/[英文]
より、一部抜粋)


星の数はビタミン、ミネラル、繊維質、トランス脂肪酸、コレステロール、塩分などのバランスで決まります。
ハナフォードで評価された金星をメーカー側は商品パッケージにデザインすることができるほか、
店内のプライスカードやPOPなどに印字し、消費者が一目で健康に良い食品を判断することができるような売り場を展開しました。


ハナフォードはこの仕組みを導入するにあたり、店内にある多くの商品を調査しました。
その結果、ジュース、アルコール飲料、コーヒー、スパイス以外は全て金星がつきました。
商品の売上げに関しては、星が付いている商品と付いていない商品で2.5倍の差が出たそうです。
このシステムは多くの店舗で展開されるようになりました。


しかし、この仕組みはメリットばかりではなく、
金星のない商品の売れ行きが悪くなるという問題点もあります。


ですが、金星が付いている商品は売れるという実績が出たため、
金星がもらえるようにメーカー側のやる気に働きかけました。
またハナフォードは消費者との信頼関係が崩れないよう、常に厳密な審査を行い健康に良い食品を提供する努力を行いました。
このメーカー側とハナフォードの取り組みが消費者を増やす結果へとつながったのです。


現在、このような健康に関する取り組みは、様々な形で多くの米国小売業で展開されています。
それだけ、米国消費者の間で健康志向が高まっていることと、
このニーズに合った商品や仕組み、販促展開は効果があるということが言えます。



最後になりますが、Guiding Starsは健康に良い食品の度合いを1つ星から3つ星で表すという、
シンプルで分かりやすい仕組みがアメリカの文化に合っていたことと、
どの商品に星がいくつ付いているのか一目でわかる売り場の工夫が成功した大きな理由のように思います。
各国の消費者ニーズと文化に合わせた仕組みで、マーケティングや販促を展開することの大切さを感じました。



2012/02/15 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター