最新!米国レジ精算の仕組み

アメリカの小売店は、レジの作業に多くのコストがかかると言われています。


また、レジの作業はコストがかかるだけではなく混雑時はレジの待ち時間が長くなり、

消費者の購買意欲が低下、販売機会損失につながる可能性もあります。


そのためアメリカの小売店では、

これらの問題点を改善しようと日々レジの効率的な作業方法を模索しています。

そこで今回は、アメリカで話題となっている

レジの作業にかかわるコスト削減とレジの待ち時間短縮を狙った2社のレジの仕組みをご紹介したいと思います。



 モバイルレジ Scan & Go

 

Walmartのアーカンソー州ベントンビル本社近くにある店舗で

実験的に導入されているモバイルレジScan & Go。


(http://www.theverge.com/2012/8/31/3283304/walmart-tests-scan-go-iphone-in-store-purchase[英文]より)


Scan & GoはWalmartが独自に開発したiPhoneアプリです。

このアプリをiPhoneにダウンロードし起動、精算前にあらかじめ購入する商品のバーコードをスキャンします。

最後に現状のセルフレジでiPhoneをかざし、代金を支払うことで精算が完了する仕組みになっています。


今年の8月下旬から従業員やその家族など限定した人だけで実験を行い、

使い勝手やレジの作業効率などのデータ収集を行っています。

ちなみに、実験に参加した人には時給100ドルと25ドルのギフトカードが提供されます。


アメリカ国内に4000店舗以上展開している小売店Walmartでは、

レジ係りの膨大な人件費に悩まされているそうです。


そのためレジの作業にかかわるコスト削減は早急に対策したいもの。

そこで、この仕組みが実験されました。


現在、モバイル決済はできませんが、確実にレジ係の作業は軽減されます。

そして、消費者側ではレジの待ち時間が短縮され、

小売店側ではコスト削減に加え、レジの待ち時間短縮による販売機会損失を防ぐことも期待できます。


しかし、メリットばかりではなく問題点もいくつかあります。

そのひとつが、購入したすべての商品のバーコードを消費者がスキャンしてくれるかということ。

一度に大量の商品を購入する文化のあるアメリカでは、

ひとつやふたつスキャンしていない商品があっても従業員が気付かないおそれがあります。


つまり、レシートに記載されている購入品数と、かごの中の商品数が一致しているか、

または同一商品であるかなどの確認をする従業員が必要となります。

最終的には人件費がかさみ、

レジの作業にかかわるコスト削減が実現できたか判断しがたい結果となってしまいます。


まだまだ、改善すべき問題や仕組みがあるように思いますが、

これらが改善されることにより、モバイルレジは新たなレジの仕組みとして根付いていくと思います。

 

 RFIDタグ(無線ICチップ)を使用した決済

 

(http://www.identicard.com/onlinestore/blog/industry-news/rfid-tags-to-be-used-at-j-c-penney-stores-by-fall-2012/[英文]より)


アメリカのデパートJ.C.Penneyの最高経営責任者(CEO)ロン・ジョンソン氏は、

2012年7月のビジネス雑誌フォーチュン誌の公開インタビューで、

上の写真のようなRFIDタグを店内すべての商品に取り付けると発表しました。

目標としてはすべての商品にRFIDタグを付け、来年末までには有人レジを撤去すると話しています。


その準備として全店内のWi-Fi、モバイル決済、RFIDタグ専用セルフレジの導入を検討しているそうです。

RFIDタグはバーコードと違い、読み取り範囲が広く、一度にたくさんのRFIDタグが読み込めます。

そのためバーコードを探す手間やひとつひとつ読み取る手間がなくなるため、

精算のスピードアップにつながります。


現状RFIDタグは在庫管理に使われることが多く、精算を目的とするのは初の試み。

単価が高いRFIDタグですが、

全商品に取り付けることで大量にRFIDタグを扱うこととなり、単価を抑えることが実現できます。

さらにモバイル決済やRFIDタグ専用セルフレジを導入し、有人レジを廃止することでコスト削減が図れます。


これらを実現することでレジの作業にかかわるコスト削減が可能となるほか、

精算の仕組みが大きく変わっていくように思います。


またRFIDタグは在庫管理も行うことができるので、

品切れなどによる機会ロスや万引きなどによる商品ロスの防止対策にも期待が持てます。

これからどう対応ししていくのか、今後の行方に目が離せません。



アメリカではレジの作業にかかわるコスト削減とレジの待ち時間短縮の実現のため、

さまざまな方法や仕組みが模索されています。


モバイルレジもRFIDタグを使用した決済も本稼働にはまだまだ時間がかかりそうですが、

新たなレジ精算の仕組みが誕生するように思います。



2012/09/18 作成




システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター