ショールーミング対策の骨組みと現状

2012年1月に米国経済紙ウォールストリートジャーナルで、
ショールーミングは小売業の新たな問題として取り上げられました。
それから約1年が経ち、海外小売業ではどんな対策が取られているのか調べてみました。


決定的な対策はないようですが、各小売店でさまざまな戦略を打ち出しています。
そこで、今回はイギリスの調査会社が提示したショールーム対策の骨組みと
現状の米国ショールーミング対策に触れてみたいと思います。



まずショールーミングとは、商品の購入を検討する際に実店舗で商品の品定めを行ってから、
検討している商品を低価格で販売しているオンラインショップで購入すること。


オンラインショップは人件費や店舗の運営コストを押さえられるため、低価格での提供が可能となります。
そのため商品の品定めは実店舗で行い、購入は低価格で提供しているオンラインショップで
という流れが確立されつつあり、深刻化しています。


そこで、ショールーミング対策の骨組みを
イギリスの調査会社Euro Monitorが提示しているので触れてみたいと思います。


 ショールーミング対策の骨組み

 

 
http://blog.euromonitor.com/2012/05/showrooming-prevention-strategies-and-techniques.html[英文]より)


 1.Loyalty Schemes (ロイヤリティプログラム・顧客満足度)
   ・接客に力を入れる
 2.In-Store Local Offers (店舗独自サービスの提供)
   ・ポイントカードの導入など店舗独自のサービスを提供する
 3.Repair/Check Up Services (アフターサービスの提供)
   ・修理やメンテナンスなどアフターサービスを充実させる
 4.Online Price-Matching (同一価格の提供)
   ・オンラインショップに対抗した最安値で提供する
 5.Credit Facilities (支払いオプションの提供)
   ・ローンや分割払いなど支払いオプションを提供する
 6.Trade-In Services (交換・下取りサービスの提供)
   ・交換や下取りサービスなどの対応を充実させる
 7.Exclusives (独占契約の確立)
   ・メーカーなどと独占契約を結びオンラインショップで扱えないようにする   
 8.Private Label (プライベートブランドの確立)
   ・自社商品を数多く開発する


1から6は顧客への提供であり、実施することでリピート顧客の増加や購買意欲を高めることが可能です
7と8は小売・メーカー側の対策で、企業をあげた大きな戦術が必要になってきます。


比較的簡単に実施できるものはすぐに取り組める反面、
真似されやすく差別化が図りにくいデメリットがあります。
大きな戦術が必要なものは効果が期待できる反面、時間とコストが懸念されます。
こうした特徴のある骨組みですが、
ショールーミング対策を検討する上で、大きな役割を担うことになると言えます。


では、実際はどうなのか。
現在、米国小売店が取り組んでいるショールーミング対策に触れてみたいと思います。


 現状の米国小売業ショールーミング対策

 

現状の米国小売業でショールーミング対策として目立つのは、
期間限定でのオンラインショップとの同一価格保証です。
ターゲットやベストバイ、フライズ・エレクトロニクスなどで実施されています。


フライズ・エレクトロニクスでは30日間価格保証というものがあります。
購入後30日以内にオンライン上で購入価格より安い価格を見つけた場合、
差額の110%を返金するというサービスです。


他には小売とメーカーが協力するといった動きも見受けられます。
アメリカには最低広告価格(MAP)と共通価格方針(UPP)といった制度があります。
前者は決められた価格以下の価格を広告に掲載することを禁止する制度で、
後者は決められた価格で提供しなければならない制度です。


違反すると協賛金の削減や商品を卸さないなどのペナルティがあります。
ショールーミング問題が浮上する前は、2つの制度に反対意見が多かったのですが、
現在では風向きが変わり、再認識されつつあり、取り入れられることも多くなりました。


こうしてみると、米国では主に同一価格の提供が目立ちます。
中には、接客・サービスの強化や自社開発商品の増加という対策を講じる企業もありますが、
世界的にショールーミング対策には苦戦しており、解決には時間がかかると言えそうです。



最後になりますが、スマートフォンが普及するにつれてオンラインショップに分があります。


そして、現状のショールーミング対策には同一価格提供が目立ちますが、
オンラインショップとの同一価格提供は、実店舗が継続していくには非常に難しいことです。


自社の強みや価値、顧客が何を求めているのか、改めて見直す時期が来たのかもしれません。
今後のショールーミング対策に期待が寄せられています。



2012/12/18 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター