オムニチャネルで巻き返し

オムニチャネル。
昨年、アメリカの小売業界で話題になったキーワードのひとつです。


日本でもChain Store Ageやダイヤモンド・オンラインなどの各メディアで度々取り上げられ、
今年に入ってからは日経MJの一面で取り上げられるなど、本格的に話題になってきました。
そこで、今回はオムニチャネルについて取り上げてみたいと思います。



 オムニチャネルとは

 

「オムニ」とは「すべて」という意味を持ち、
オムニチャネルとはあらゆる販売経路を活用することを意味します。


小売業側は実店舗やインターネット等のあらゆる経路で分け隔てなく商品訴求やサービスを提供し、
消費者側はあらゆる経路から情報を収集し何の弊害もなく買い物ができることを表します。


オムニチャネルという言葉自体は、さほど新しい言葉ではなく、
専門家などの間では数年前から使われていました。


注目されるようになってきたのは、2011年1月、
全米小売業協会の標準化団体ARTSがMobile Retailing Blueprint V2.0を発表してからです。
最近ではマルチチャネルやクロスチャネルとの対比として使われるようになりました。


では、チャネルの変遷と共に、オムニチャネルについて触れたいと思います。


 シングルチャネル
   
販売経路が実店舗だけのことを表します。


 マルチチャネル
 
販売経路が実店舗や通信販売など複数あり、
一度の買い物がそれぞれの経路だけで完結することを表します。


 クロスチャネル
 
販売経路が複数あり、
インターネットから実店舗など複数の販売経路をまたいで買い物をすることを表します。
例えば、消費者がインターネットを閲覧中に購買意欲が発生し商品を購入、
実店舗で受け取るという販売経路がクロスチャネルに該当します。


 オムニチャネル

販売経路が複数あり、どの経路においても同じ買い物ができることを表します。
そのため小売側はどの経路においても同じ訴求、価格、サービスを提供し、
経路すべての情報を一元化する必要があります。


スマートフォンの普及で手軽に低価格で商品を購入できるようになりました。
それに伴い実店舗は商品を品定めするショールームとして利用されるという、最悪の事態に陥りました。


こうした背景がある中で実店舗の強みを模索した結果、
あらゆる販売経路を融合させるオムニチャネルが巻き返しをはかる手段として挙げられました。
そこで、アメリカ小売業界で初めてオムニチャネルに取り組んだMacy’sの一例をご紹介したいと思います。



 オムニチャネルで巻き返し

 

2011年アメリカの老舗百貨店Macy’sのCEOテリー・ラングレン氏は
オムニチャネル企業を目指すと宣言しました。


その取り組みとして、商品情報や顧客情報に関するデータベースを統合し、
実店舗とオンラインショップの価格や販促企画、サービスなどもすべて統一しました。


こうすることで実店舗で商品が欠品していても、在庫がある他の店舗を紹介することや
オンラインショップに在庫があればその場で発注することも可能となります。
さらに、配送無料にすることで、
実店舗でもオンラインショップでも同じような売り方を提供することができます。


結果、小売側はチャンスロス防止につながり、
消費者側は実店舗でもオンラインショップでも同じ感覚で買い物ができます。



(http://www.macysinc.com/Assets/docs/for-investors/annual-report/2011_ar.pdf[英文]より)


こういったサービスが実現できるのも、スマートフォンの普及に加え、
実店舗内で容易にインターネットへアクセスすることが可能になったことが挙げられます。
商品バーコードを読み取るだけでオンラインショップでも同じ商品の情報が閲覧できたり、
またオンラインショップで見つけた商品が店内のどこに置いてあるのかスマートフォンで案内が可能であったりと、
双方向のスムーズなサービスがオムニチャネルの支えになっていると言えます。



最後になりますが、実店舗で商品を確かめて
インターネットで最安値を探して購入するという人が増えてきました。


こうしたオンラインショップ優勢の流れに歯止めをかけるためにオムニチャネルが考えられ、
多くの企業で取り入れようという動きが目立ってきました。
オムニチャネルは、はじまったばかりです。
今後の動向に目が離せません。



2013/02/19 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター