ショールーミングからの脱却、ウェブルーミングへ

ショールーミング(showrooming)とは、店舗で商品を確認し、その場では買わず、パソコンや
スマートフォン等からより価格の安いオンラインショップで購入することです。


オンラインショップは人件費や店舗の運営コストを押さえられるため、低価格での提供が可能となります。

そのため商品の品定めは実店舗で行い、購入はより低価格なオンラインショップでという流れが

確立されつつあり、実店舗への影響が深刻化しています。

特に家電量販店でのショールーミング被害は深刻で、アメリカ大手家電量販店のBestBuyは

2012年減収減益になり株価も急落、イギリスのカメラ販売大手のJessopsは

倒産に追い込まれたと言われています。 

(ショールーミングの詳しい話は「ショールーミング対策の骨組みと現状」をご覧ください。)





 ショールーミングからウェブルーミングへ


小売業がショールーミングを警戒する中、『ウェブルーミング』という言葉を耳にするようになりました。

ウェブルーミング(webrooming)はショールーミングとは逆で、お店に行く前にパソコンやスマートフォンから

商品情報を確認した後、店舗で商品を購入することです。


2013年の11月アメリカで2,250人の成人を対象に行った調査では、ショールーミングをした人の割合46%に対し、

ウェブルーミングをした人が69%とより高い数値になりました。

実店舗にとって脅威であるショールーミングからウェブルーミングへと移行した背景には、

WalmartやBestBuyをはじめとする小売各社の努力があります。


 ショールーミングからの脱却


WalmartやBestBuyは、Eコマース事業に積極投資し、徹底した合理化を推進しました。

自社のWebサイトを充実させ、価格をオンラインショップと同等にすることにより、

実店舗でもWebでも同じ価格・サービスが受けられるよう整備しました。

その結果、すぐに手に入り、返品も手間なくできる実店舗で購入する人が増加してきたのです。


実際WalmartやBestBuy、Target等の小売店は、Eコマースが実店舗を助けていると言っています。

その言葉通り、BestBuyは2013年クリスマスシーズンに「ホリデーシーズンに最適のショールーム」という

テレビコマーシャルを流し、Targetは顧客が携帯電話でショールーミングができるよう店舗にWi-Fiを

設置しました。

脅威としていたショールーミングをものともしない強気の販促活動と言えます。

また、証券アナリストのジョン・トムリンソン氏も「人々は価格で損をしないと感じるのであれば、

実店舗から購入する公算が大きい。」と述べています。



http://www.youtube.com/watch?v=e1jWxuGs188より動画を一部抜粋)


ではなぜ、顧客は実店舗での購入を選ぶようになったのでしょうか?

その理由は顧客ニーズにあります。


 ショールーミング、ウェブルーミングからオムニチャネルへ


コンサルティング会社大手のアクセンチュアの最近の研究により、

消費者はより多くの選択肢を望んでいることが分かりました。

いわゆる『オムニチャネル(販売経路が複数あり、どの経路においても同じ買い物ができること)』です。

(オムニチャネルの詳しい話は「オムニチャネルで巻き返し」をご覧ください。)



実店舗を持つ小売店は今後、Eコマースを強化し、販売経路を増やすことで、

消費者の求める多くの選択肢を提供することができるようになります。

実店舗を持つ小売店の強みです。



Eコマース推進は費用が掛かります。

また、運営コストの掛からないオンラインショップと価格を同等にすることは容易なことではありません。


しかし、国内でもWeb機能が弱い小売業の売上が伸びないという事例が出ているので、

今後、実店舗を持つ小売店が生き残っていく上で必要な投資ではないかと思います。


Eコマースを強化し、ショールーミングもウェブルーミングもできる多角の販売経路を持った小売店へと

進化していくことで、顧客ニーズにあった企業へと成長していけるのではないでしょうか?



2014/01/21 作成


システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター