駅ホームで癒される販促

海外の販促事例のネタを探していると、こんな写真を見つけました。



駅ホームのイスが、すべてソファになっています。
こんなホームがあったら電車待ちも苦にならないのに、
と思いながら詳細を見てみると、大手家具メーカーIKEAの販促活動でした。


そこで今回は、駅ホームで癒される販促をご紹介します。



 IKEA

  

IKEAは、日本国内でも5店舗ほど展開されている大手家具メーカーです。
1926年スウェーデン南部の森から出発し、
現在では世界44の国と地域でその名を知らしめています。


 


IKEA創立の発端は、マッチのバラ売りから。
その後、草花の種やグリーティングカードなど商品のラインナップを広げ、
後に鉛筆やボールペンも取り扱うようになりました。


そして、1940年代から家具の小売りに取り組み始めました。
家具のデザインや組み立て方式、宣伝方法の探究、より多くの人に
情報を発信しようとカタログやショールームを使い始めたのもこの時期でした。


1960年代にはコンセプトが形成され始めました。
この頃から新しい店舗が続々とオープンし、ヒット商品も誕生しました。


1980年代には米国、イタリア、フランス、英国などの新たな市場に参入し、
さらなる定番商品が登場するなど、急速に拡大・成長していきました。
現在のモダンなIKEAの原形ができあがったのもこの時期でした。


1990年代には、キッズ商品の展開が導入され、
子どものいる家庭向けホームファーニシング製品に焦点が当てられました。
また、環境問題への取り組みが重視されるようになってきました。


そして、2000年代ではベッドルームとキッチンで使うあらゆるアイテムを探求し、
生活全般で必要な家具や設備のトータルコーディネートを可能にした
ホームファーニシングソリューションを提案。
日本に参入したのもこの時期で、2006年千葉に第1号店がオープンしました。


こうした歴史の中で、IKEAは各国でさまざまな販促を展開していました。
今回ご紹介する販促もその中のひとつです。


この販促は、2010年3月10日から24日までの期間限定でパリのConcorde駅、Opéra駅、
Saint Lazare駅、Champs Elysées Clémenceau駅の4つの駅で展開されていました。


地下鉄のホームのイスをすべてソファにすることで、
不特定多数の人々にIKEAのソファのアピールと座り心地を体感してもらうこと。
この販促は、ネットを中心に口コミで話題になったそうです。




(http://www.flickr.com/photos/48256835@N04/sets/72157623468498147/[英文]より)


ソファの隣には、ランプが違和感なく置かれ、後ろには本棚やテレビなどがあります。


ランプは本物ですが、本棚やテレビなどは壁に壁紙を貼り、
駅ホームをさもショールームのように風変わりさせているのです。
もちろん広告ですから、壁紙にはしっかりロゴが刻まれています。


写真では見づらいかもしれませんが、ソファの腕起き部分に
紙のようなものがチラッと映っています。
これは、製品の特徴を伝えるプロダクト-アドで、種類や価格などが書かれています。
ソファの前を通りかかった人が何だろうと思い手に取ったり、
座っている人が興味を持って見るなど効果的な見せ方のひとつだと思います。


このプロモーションはソファの販促に加え、商品テストも兼ねているそうです。
上の写真では分かりづらいかもしれませんが、
「EKTORP」と「KARLSTAD」という2つのソファが置かれています。


         「EKTORP」                   「KARLSTAD」
 


2つの違いとしては、「EKTORP」は軸の足が隠れており、
「KARLSTAD」は足が4本見えているというところ。
違いは分かりづらいかもしれませんが、
若干EKTORPの方がふかふかしているように見えます。


どちらが人気なのかとか、どちらが耐久性があるのかなどのテストも
2種類のソファを置くことによって行ったそうです。



この販促は、多くの人の目に留まり効果があったそうです。
その理由は次の二つがあったからだと言えそうです。


まずひとつは、場所選び。
駅は見晴らしがよく、多くの人が行き来する場所です。
さらに駅の中でも地下鉄に絞ることで、屋外とは違い、
広告が周りの風景や環境に左右されにくい点があります。
また、ホームの動線が整備されているため端から端まで有効に使うことが可能です。
こういった地の利を活かすことで、効果につながったのだと言えそうです。


そしてもうひとつは、人々の心理をうまく突いていること。
地下鉄内は携帯電話が通じにくかったり、景色に変化がなく
少しでも変わったところがあれば、すぐ目に留まります。
ですから、ホームのイスがすべてソファに変わっていれは、すぐ目に付きます。
さらに、プロダクト-アドがより効果を高めているように思います。


思いつきそうでなかなか思いつかないこの販促。
普段何気なく生活している中で、
まだまだこういった販促展開ができるような穴場が存在するように思います。
そんなところに気付ける広い視野を持ちたいなとちょっぴり感じました。



2010/06/16 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター