外国人旅行者の現状と免税制度

2014年10月1日から免税制度が大きく変わり、小売企業に動きが見られます。
そこで今回は、外国人旅行者の現状と免税制度について触れてみたいと思います。


 

 外国人旅行者の現状


訪日外国人旅行者は、2003年(521万人)と2013年(1,036万人)を比べると10年間で約2倍に増加しています。
2013年は史上初の訪日外国人旅行者数1,000万人を達成しました。
また、外国人旅行者は「日本食を食べること」に次いで、「ショッピング」を目的で日本に来ることが多いことも
観光庁の訪日外国人消費動向調査で分かりました。


さらに、訪日外国人旅行者の消費については全消費額の約3分の1を買い物代が占めており、
菓子類、食料品、飲料、酒などの購入が多い結果となっています。



(http://www.mlit.go.jp/common/001052082.pdf [外国人旅行者等への消費税免税販売制度 説明資料]より抜粋)


こうした結果に加え、2020年の東京オリンピックでの訪日外国人旅行者がもたらす
経済効果にさらなる期待が集まり、今年の10月1日より免税制度の改正が施行されました。
そこで、免税制度について少し触れてみたいと思います。

 

 外国人旅行者等免税制度


免税制度とは輸出物品販売場(免税店)を経営する事業者が、外国人旅行者等の非移住者に対して
特定の物品を一定の方法で販売する場合に消費税が免税される制度のことです。
簡単にまとめると以下のようになります。



2014年10月1日で改正された点は大きく以下の三点になります。


 1.免税対象物品の範囲の拡大
    消耗品も対象となり、すべての品目が免税対象となりました。
    消耗品の梱包方法に対しては、開封された場合に開封されたものであることを示す
    文字が表示されるシールで封印などの細かな指定が設けられました。


 2.免税店を経営する事業者が保存すべき書類の追加
    ひとつの免税店が一人の非移住者に1日に販売する一般物品の額が100万円を超える場合は、
    免税店を経営する事業者の納税地又は免税店の所在地に、その非移住者の旅券等の写しを
    保存しなければなりません。


 3.購入記録票等の様式の弾力化及び記載事項の簡素化
    <様式の弾力化>
    購入記録票と購入者誓約書は法令で様式が定められていましたが、
    改正後は法令に定められた事項が記載された書類でよくなりました。
    <記載すべき事項の簡素化>
    記載すべき事項の全部又は一部が記載された明細書等(購入者に対して公布する領収書の写し等)を
    購入記録票等に貼付け、かつ明細書等と購入記録票等との間に割印をした場合は、
    明細書等に記載された事項の購入記録票等への記載を省略できます。


参考資料:http://www.mlit.go.jp/kankocho/news03_000098.html [国土交通省 観光庁]
詳しい内容については、参考資料のリンク先をご覧ください。


このように、消耗品が追加されることでスーパーマーケットやドラッグストアなどもビジネスチャンスとなり
免税店の開設を実施、もしくは検討しているところが見られるようになりました。


免税店は、2014年4月1日時点で全国に5,777店あり、
東京国税局(千葉・神奈川・東京・山梨)と大阪国税局(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)管内に
3,940店(全国の68.2%)が所在しています。
以下の画像は、2014年4月1日時点の都道府県別免税店の店舗数を表しました。

(日本地図より、白地図を加工)


10月1日の改正により、様子を伺っている小売企業が多い一方、
免税店の開設にメリットも見込めるため店舗数は着実に増えていると言えます。
地域によって免税店の店舗数にばらつきがあり、店舗数の少ない都道府県では差別化、集客効果が期待できます。
今後の小売企業の動きにも意識してみたいと思います。



最後に、今後も訪日外国人旅行者は増え続けることが予想され、ひとつのビジネスチャンスです。
全ての消費者が買い物をしやすい売り場を目指すことは難しいことだと思いますが、
観光地では外国人旅行者も買い物がしやすい売り場を少し意識してみてもよいのではないでしょうか。



2014/10/28 作成


システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター