Free Fromで付加価値訴求

2015年12月1日より、アメリカニューヨーク市で塩分表示の義務付けが施行されました。


アメリカ国内で15店舗以上を展開する外食チェーンが対象で、
多くの栄養学者が1日の塩分摂取量として推奨している2300ミリグラムを超えるメニューには
以下のようなマークを表示させなければなりません。


  
左のロゴ:http://www.nyc.gov/html/doh/html/diseases/salt.shtml[英文]より
右の画像:http://www.foodworldnews.com/articles/60379/20151202/will-nycs-sodium-labels-influence-food-choices.htm[英文]より

 

塩分を摂りすぎると、高血圧や心臓病などの危険性が高まると言われています。
米国人の塩分摂取量は1日平均3400ミリグラムと推奨している摂取量を上回っており、
塩分の含有量を把握できるようにし、摂取量を抑えることを目的としています。


ニューヨーク市は飲食店に対し、メニューへのカロリー表示の義務付けや
トランス脂肪酸表示の義務付けも行っています。
そこに塩分表示の義務化も加わるかたちとなりました。


アメリカのスーパーマーケットでは食品の格付けやラベル表示などの導入が進んでおり、
その取り組みがスーパーマーケットだけでなく外食チェーンにも普及してきました。


こうした様々な表示等がある中で、
今回は食品トレンドのひとつである「Free From」について取り上げたいと思います。



 Free From 【フリーフロム】

 

Free Fromとは、「ない」とか「使用しない」といった意味があり、
原材料からアレルギーの原因となるグルテンや小麦粉、乳製品などの特定の食品、
または健康に悪いと言われている物質を取り除いた商品のことです。


Free Fromは付加価値を訴求できる言葉として積極的に使われ、
現在注目されています。
そこで、アメリカで有名なFree Fromをご紹介します。


 Antibiotic Free 【抗生物質フリー】
 病気予防・治療などの目的で与えられる
 抗生物質を使用していない商品のことです。
  
 Cholesterol Free 【コレステロールフリー】
 コレステロールが含まれていない商品のことです。
 レバーや砂肝などのホルモン系、卵を使った加工食品に多く含まれています。
 コレステロールを摂りすぎると高コレステロール症や動脈硬化などを招き、
 さらには脳卒中、狭心症、心筋梗塞などに進む危険性もあります。
 Dairy Free 【乳製品フリー】
 乳製品が含まれていない商品のことです。
 乳製品は食物アレルギーの原因物質と言われています。
 Egg Free 【卵フリー】
 卵が含まれていない商品のことです。
 卵は食物アレルギーの原因物質と言われています。
 Gluten Free 【グルテンフリー】
 小麦や大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質の一種(グルテン)が
 含まれていない商品のことです。
 セリアック病やアレルギーに悩む人が増加し、
 グルテンフリーの需要が高まっています。
 ★グルテンフリーの販促等は『米国の売場と販促』をご覧ください。
 GMO(Genetically Modified Organism) free・Non GMO 【非遺伝子組み換え】
 遺伝子組み換え生物などを一切使用していない商品のことです。
 2008年に設立された非営利団体 NON-GMO Projectでは
 遺伝子組み換えを行っていないということが明確に表示されている商品を
 選択できるようにすべきであるという考えをもって運営されています。


 第三者機関の厳しい審査に通過し、認定した商品だけが
 以下のようなマークを表示することが出来ます。


 
 http://www.nongmoproject.org/2013/12/04/ddwngplogo/[英文]より

 Hormone Free 【ホルモン剤フリー】
 成長ホルモンを与えずに飼育した家畜で
 作られた商品のことです。
 Lactose Free 【ラクトースフリー】
 乳糖が含まれていない商品のことです。
 哺乳類の乳には必ず含まれている糖分で、
 赤ちゃんの時には多量に必要としますが、
 離乳期以降ラクトースは分解されにくくなり、
 細菌などが影響しておなかの調子が悪くなりやすいと言われています。
 ★ラクトースフリーの販促等は『陳列の工夫で売上アップ!』をご覧ください。
 Nitrate Free 【硝酸ナトリウム(発色剤、発酵調整剤)フリー】
 硝酸ナトリウム(発色剤、発酵調整剤)が含まれていな商品のことです。
 ハムやソーセージなどに使われ、吐き気、下痢、貧血、
 中枢神経麻痺などの原因と言われています。
 アメリカではベビーフードへの使用禁止、
 さらに全面禁止も検討されているそうです。
 No MSG(Monosodium Glutamate) 【グルタミン酸ナトリウム不使用】
 調味料(アミノ酸)・うまみ調味料が含まれていない商品のことです。
 日本ではほとんどの食品に入っていますが、
 海外では制限・禁止されています。
 「NO MSG」でないと売れないとも言われています。
 Nut Free 【ナッツ類フリー】
 ナッツ類が含まれていない商品のことです。
 北米ではあらゆるナッツ類にアレルギーを持つ人が多く、
 商品パッケージやPOPでの訴求は欠かせないと言えます。
 Salt Free 【塩フリー】
 塩が含まれていない商品のことです。
 塩を摂りすぎると高血圧や心臓病などの
 危険性が高まると言われています。
 Sugar Free 【砂糖フリー】
 砂糖が含まれていない商品のことです。
 砂糖を摂りすぎると動脈硬化や骨粗鬆症、認知症などを
 引き起こすと言われています。 
 
 Trans Fat Free 【トランス脂肪酸フリー】
 トランス脂肪酸が含まれていない商品のことです。
 バターやマーガリンなどに多く含まれ、これらを原料とする
 パン、ケーキ、クッキーなどの洋菓子類にも多く含まれています。
 一定量を摂取するとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ
 心臓疾患のリスクが高まると言われています。
 トランス脂肪酸を含む製品の使用を規制する国も増えています。



アメリカでは格付けや表示制度が盛んに行われています。
過去にビジネスブログで取り上げた格付けや表示については以下をご覧ください。


 ・マインドシェアを高めるための取り組み (格付けシステム)  [2013/10/22 作成]
 ・売上を2倍にした仕組み (Guiding Stars) [2012/02/15 作成]


ニューヨーク市の塩分表示に関しては日本のメディアでも取り上げられていました。


国内でも岩手県では毎月28日は『いわて減塩・適塩の日』が設定されたり、
高知県では『めざせ!減塩スター 「減塩プロジェクト」』が開始されるなど、
今後、減塩はもちろんのこと、低カロリーや低糖といった健康面に配慮した訴求をする販促物に需要が見込まれます。
他にもトクホ(特定保健用食品)に加え、今年の4月から機能性表示食品制度が導入され、
様々な表示が売り場に展開される可能性もあります。


誰にでも分かりやすいデザインや販促物の設置にメリハリを付けるなど、
消費者が混乱せず買い物しやすい環境を提供することが大切だと改めて感じました。



2015/12/22 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター