スバルオブアメリカのマーケティング

今月は、不況の波が押し寄せた2009年に過去最高の結果を残した、
スバルオブアメリカのマーケティングをご紹介します。


販売台数が激減、それを追うように売上高も大幅減少。
2009年の自動車業界は不況のどん底でした。


しかし、そんな厳しい市場環境の中でスバルオブアメリカは、
2006年の20万703台を上回る過去最高の販売実績を上げたのです。
Advertising Ageで選ばれる2009年のヒット商品に登場していました。


この成功を収めるカギとなったひとつに、
「愛」をテーマにした広告キャンペーンの展開があります。
日経MJの「売り方米国流」でも取り上げられていました。
そこで今回は、この販促をご紹介したいと思います。


 ラブメーター



2010.01.08掲載記事


スバルオブアメリカでは、
「Love. It’s What Makes a Subaru a Subaru」と銘打つスローガンがあります。
「スバルへの愛。それが、スバルを創ります。」と言うようなことです。


2007年の秋、広告展開を広告代理店カーマイケル・リンチに委託し、
スバル車オーナーの愛車への思い入れの強さを強調する、
広告キャンペーンが実施されました。


また、CMや新聞、雑誌などの広告展開のほかに、
オーナーが「フォレスター」や「インプレッサ」などの愛車について書き込める、
「スバル愛(SubaruLove)」といったウェブサイトを開設しました。


こうして「愛」をテーマにした広告キャンペーンが展開されていったのです。
そして2009年冬、新型レガシィを発売する為に新たなキャンペーンが展開されました。


その名も、「ラブメーター」。
レガシィへの愛情を測る測定器になっています。


このキャンペーンはニューヨークとロサンゼルス、シカゴの3都市で行われました。
街角に高さ2.4メートル程のラブメーターと新型レガシィを設置し、
通行人が新型レガシィに触れるとメーターの針が動きます。


また同時に、メーターの下にあるモニターから
「右脳、左脳の両方に訴える車」、「レガシィに触れて、愛を感じますか?」
などのコメントや質問が表示されます。
これに、反応し続けるとメーターの針はレッドゾーンに達します。


これは、ラブメーターと新型レガシィが接続されており、
センサーが反応すると針が動く仕組みになっています。
一定時間触れていると、レッドゾーンに達するとか。


ラブメーターを体験した人の多くが、25歳から45歳だったそうです。
これは、レガシィを販売していこうとするターゲットと一致しています。
狙ったターゲットに体験してもらえる、
これだけでもキャンペーンは成功したとのことです。
この成功を踏まえ、他の都市でも再び展開されるようです。


この、ラブメーターはWebサイトでも展開されていました。
現在では体験できませんが、以下のようなサイトがこちら[英文]で展開されていました。


簡単に、Web版のラブメーターをご紹介します。
まず、レガシィのページを開くと、


 


メーターの針がレッドゾーンを指しています。
その下には、「愛を感じてください。」とあります。


しばらく何もしないと、


 


針は戻っていきます。


そして、レガシィにカーソルを当てると、


 


針が再びレッドゾーンを指します。


 


上の写真の水色の的に当てると振り切ることもあります。
また各的によって、メーターの下に表示される内容が異なります。



アクションを起こすことによってメーターに変動があり、
何気無く車にカーソルを持っていきたくなるような気がします。
これが、狙いなのかもしれません。


ちなみにこのメーターがあるのは、レガシィのページのみです。
他の車種のページにはメーターはありません。
こういった、差別化も戦略のひとつとして効果があったように思います。



最後にスバルオブアメリカは、Advertising Ageで選ばれるヒット商品に登場し、
「ブランドロイヤリティの高い顧客をしっかり獲得している」と誉められていました。
「次も、スバル」という、考えを持っている顧客が多いそうです。
それは、今回ご紹介した広告キャンペーンのように、
「愛」をテーマにしっかりとしたマーケティングとサポートがあるからだと思います。



2010/02/09 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター