文化にあわせた商品開発事例 (Bottoms-up bottles)

昨年12月にビール系飲料の税率一本化などが盛り込まれた税制改正大綱が公表され、
今年6月には過度な価格競争の防止等を目的とした酒税法等の一部改正法が施行されるなど、
酒類市場は今後大きく変化していくことが予想されます。


今回は税制改正大綱の酒税についてと中国ビールメーカーの文化にあわせた商品開発事例をご紹介します。



 平成29年度税制改正大綱 『酒税改革』 


まずは、税制改正大綱の酒税部分について詳しく触れたいと思います。
酒類は原料や製法で分類され、種類によって税率が異なります。
酒類間の税負担の公平性を回復する等の観点から、
税率を2020年より二段階または三段階に分けて税率を変え、
2026年には統一する方向で動いています。



さらに酒類の定義の見直しによって、
2018年4月1日よりビールの定義と2023年10月1日より発泡酒の定義が緩和されます。


現行のビールの定義は麦芽比率67%以上で、
麦芽・ホップ及び水以外に使用できる副原料は麦と米、とうもろこし等に限定されています。
多様な副原料を用いた商品や麦芽比率が若干低い商品は、
ビールと同じ税率が適用されるものの、発泡酒と表示して販売しなければなりませんでした。
来年4月からは麦芽比率50%以上の商品や副原料として果実(果肉・果皮)、
一定の香味料を少量用いている商品もビールとして販売することが可能となりました。


そして現行の発泡酒の定義は麦芽又は麦を原料の一部とする商品とされていますが、
2023年10月からはポップを原料の一部とする商品、
色度や苦味価(苦味の程度)が一定以上の商品も発泡酒として販売することが可能となりました。


税率が統一され定義の見直しが進むことで、今までの低価格や機能性といった
優位性が失われる部分があり酒類販売の競争環境の厳しさが懸念される一方で、
地域の特産品を用いた地ビールの開発や日本産酒類のブランド価値の向上など新たなメリットも期待できます。
こうした酒類市場は今後変化し続けることがうかがえます。


続いて、中国ビールメーカーの文化にあわせた商品開発事例をご紹介します。


 

  

 文化にあわせた商品開発事例 (Bottoms-up bottles)

  

日本では瓶ビールをコップに注いでから乾杯しますが、
中国では瓶ビールのまま乾杯し、そのまま一気飲みすることも多いそうです。
まさに、杯を乾かす乾杯です。


さらに、ビールを飲みたい時は誰かと乾杯してから飲むという風習のため、
一気飲みの乾杯が何度も繰り返されます。


こうした文化だからこそ、生まれた商品があります。
それが、飲み口と底を反対にした青島(チンタオ)ビール。


一気飲みが風習の中国では、ビール瓶に対して以下のような不満を抱いています。


 


 ・首の部分が細いこと
 ・飲み口が小さいこと
 ・構造上、速く飲めないこと


これらの不満を解決するために飲み口と底を逆にしたビールが開発されました。


 


ビール瓶の底に蓋が付いており、本来蓋が付いている面が底になる構造で乾杯用のボトルです。



(https://adsoftheworld.com/media/dm/tsingtao_brewery_bottomsup_bottles[英文]より、動画の一部を抜粋)

 

ビール瓶を逆さにすることで、首の部分が太く飲み口が大きくなり、飲むスピードが速くなります。
ビール瓶をテーブルに置くことは至難の業ですが、
乾杯後はすぐに飲み干してしまうため瓶を立てて置く必要がなく問題はありません。


瓶ビールの形は残しつつも、中国ならではの文化にマッチした、
ユニークかつ不満を解消したアイディアになっています。



最後になりますが、若年層の酒離れや酒類消費量の減少、
販売数量の漸減傾向など以前から抱えている問題がある中で、
今回の改正によって市場がどう発展していくのかこれからの動きに着目していきたいと思います。



2017/02/24 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター