コンテストで地産地消の販促

今年の夏、大手スーパーマーケットのサミットで「総菜選挙2017」が開催されました。


7つの総菜が立候補し公約を掲げ、選挙さながらのポスターや政見放送のような演説等
本格的な総菜選挙は注目を集めました。
日本では目新しさを感じる販促ですが、
アメリカでは3年前からこうした販促に似たコンテストを開催している小売店があります。


今回はアメリカのテキサス州とその隣にあるメキシコに約340店舗を展開する
ローカルスーパーマーケットH-E-Bが実施しているコンテストを絡めた地産地消の販促をご紹介します。



 コンテストで地産地消の販促

 

H-E-Bは地元のメーカーや農家等が生産・開発・加工した高品質な飲食料品を紹介する
「Primo Picks」という地産地消の販促を2012年から開催しています。
主にテキサス州の地元商品を紹介する販促です。


Primo Picksは対象商品にPOPを付けて訴求するだけでなく、エンドや試食コーナーも展開しています。
他にも対象商品を取り上げた小冊子をほぼ毎月のように発行し、
ホームページで公開したり、店内で配布しています。



上の画像の販促物の部分を拡大した画像が下の画像になります。



(画像はhttps://www.instagram.com/heb/[英語]より)


Primo Picksのロゴはテキサス州の州旗と同じひとつ星(ローンスター)が描かれており、
地元愛が強く地元に密着している販促企画であることを表しています。
対象商品にはロゴやコメントが入った特徴的なPOPが付けられており、
一目で対象商品を認識することができると共に、コメントで商品に興味・関心を持たせます。
愛州心の高いテキサス州では地元密着型の販促の展開で、
地元の消費者に周知され、H-E-Bでは人気の販促・イベントになりました。


2014年からはPrimo Picksにコンテスト「Primo Picks Quest for Texas Best(以下、Texas Best)」が導入されました。
Texas Bestはテキサス州で事業活動が可能な業者や生産者のみが参加できるコンテストです。
入賞商品はH-E-B全店やオンラインショップで大々的に紹介・販売されるだけでなく、優勝者には2.5万ドル(約280万円)、

1位は2万ドル(約230万円)、2位は1.5万ドル(約170万円)、3位は1万ドル(約120万円)の賞金が設定されています。
出場する側のモチベーションを上げる内容にもなっており、
多くの業者の参加と自社商品の訴求に力を入れてもらうことを実現し、
より多くの消費者に地元商品を認識してもらう工夫の見られるコンテストになっています。


今年のコンテストには600件を超える商品がエントリーされました。
審査は3次審査まであり、1次審査で味や香り、魅力、価値、独自性、市場潜在力、
そしてH-E-Bで取り扱いのある商品との差別化等が評価され選ばれた商品のみが2次審査に進みます。
2次審査では品質や市場等だけでなく、商品の由来やエピソードに重きが置かれて評価され、
選ばれた商品がファイナリストとして3次審査に進出します。
3次審査に進んだ応募者はイベントに招待され、最終審査によって最優秀賞と1位、2位、3位が選ばれます。


こうした厳しい審査の中で、今年の最優秀賞には
動物性食品の使われていないおいしいデザートを作るという熱い思いで作られた
Skull & Cakebonesのマーマレード「Mocha Marmalade」が選ばれました。



(左の画像:https://www.heb.com/static-page/article-template/2017-quest-for-texas-best-winners[英語]より・
右の画像:https://www.heb.com/static-page/H-E-B-Primo-Picks-Quest-for-Texas-Best[英語]より)


1位はThe Texas Pecan Cake Shopのピーカンナッツを使ったケーキとWarpig BBQのバットとリブを使ったソース。
2位はTamale Addictionのポブラノとミュンスターチーズのタマレス

(トウモロコシをすりつぶし、ラードとあわせてこねた生地を蒸したメキシコ料理)、
3位はLa Familia Cortez Restaurantsのサルサ・ヴェルデ(緑色の野菜ソース)という結果になりました。
これらの商品は今後大きく取り上げられる予定になっています。



最後に、今回ご紹介した事例は地元愛の強い消費者の心を掴んだ巧みに考えられた販促・イベントです。


日本でも、地産地消やランキングの販促はよく見かけます。
これらの販促をより効果的にするために生産者の声やエピソードを添えたり、
消費者に歩み寄ったランク付けや情に訴えかける見せ方が必要と言えます。
この機会に、訴求方法を見直してみるのもよいのではないでしょうか。



2017/10/27 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター