各国の食品廃棄問題への取り組み

節分というと近年では、全国的に「恵方巻」のイメージが強くなったように思います。


恵方巻の起源は諸説ありますが、昔から長いものは縁起が良いとされており、
巻き寿司を長いまま食べる慣習や包丁を入れると縁が切れるといった縁起担ぎもあり、
恵方巻は大阪を中心に関西圏で流行していったそうです。


関西圏で流行していた恵方巻は、1989年に広島県にあるセブンイレブンの個人オーナーが、
節分の日にその年の縁起のいい方角(恵方)を向いて無言で太巻き寿司を丸かぶりする関西圏の慣習を伝え
店舗で販売したことをきっかけに、全国に広まったと言われています。


コンビニエンスストアを皮きりに、スーパーマーケットや関連企業等でも
流行りに乗って恵方巻を販売するようになりました。


しかし、ここ数年悲しいことに作り過ぎた恵方巻の廃棄問題について
大きく取り上げられるようになりました。
こうした問題を受け、今回は日本で展開された恵方巻の販売事例と
海外で取り組まれている食品廃棄問題の対策事例についてご紹介したいと思います。



  昨年実績以上は作らないとあらかじめチラシで宣言

 


(画像はhttps://www.facebook.com/yamadastorekitano/ [ヤマダストアー北野店のFacebook] より)


この事例は兵庫県にあるスーパーマーケットのヤマダストア―の事例になります。
上の画像は節分前に配布されたチラシになります。


もうやめにしよう

 売上至上主義、成長しなきゃ企業じゃない。
 そうかもしれないけど、何か最近違和感を感じます。


 昨年あちこちで大量に廃棄された恵方巻がSNSで話題になりましたが、そりゃそうです。
 のばせのばせ、ふやせふやせの店舗数と恵方巻の大量生産で数は膨れ上がり続けています。


 食材を原価だけで考えてるからそんなことになるんやと思う。水も土も海産資源も地球が無料で私たちに与えてくれています。
 スーパーの現場で働くと、どんなに偉い学者さんじゃなくても分かります。
 ヤマダの鮮魚従業員も「海産資源は絶対減ってる」って言ってます。だから大事にしたいんです。


 今年も1本1本心を込めて巻きました。ヤマダの巻寿司は殆どお店で巻いてます。
 魚屋さんで魚を切って、お肉屋さんでお肉を焼いて巻いてます。


 今年はもしかしたら早くに無くなるかもしれないけど、ヤマダはこれ以上成長することよりも今を続けられることを大事にしたいです。
 最後の1本の恵方巻までお客様に愛されますように。

 

 ちょっと変なスーパー ヤマダストア―株式会社


 ※今年は全店、昨年実績で作ります
 売れ行きに応じて数を増やすことを今年は致しませんので、欠品の場合はご容赦くださいませ


 (チラシの文面より引用)



こうした取り組みを行った結果、ヤマダストア―では恵方巻の廃棄量を減らすことができ、
さらに欠品が発生した商品・店舗がありましたがお客様からのクレームはなかったそうです。



(画像はhttps://www.facebook.com/yamadastoresyosya/ [ヤマダストアー書写店のFacebook] より)


消費者だけでなく、企業へも影響を与えた廃棄問題を意識した素晴らしい取り組みと言えます。
次に、海外で取り組まれている食品廃棄問題の対策事例についてです。


 海外の食品廃棄問題の対策事例

 

 フランス:食品廃棄を法律で規制

 

以前、当ビジネスブログでも紹介しました「食品破棄対策として生まれた販促 (2014/08/27 作成)」。



見た目の悪い(規格外)野菜や果物は味や品質が見た目の良いものと同等であっても
生産者の手を離れることがなかったり、売れ残ってしまい廃棄されてしまいます。
こうした問題にスーパーマーケットのlntermarcheは目を向け、
見てくれの悪い野菜や果物だけを取り揃え、
ユニークなデザインの販促物で大々的に押し出した売り場を展開しました。


食品廃棄問題に対して積極的に取り組みを行っているフランスでは、
2016年2月に賞味期限切れ食品の廃棄を禁止する法律が成立しました。
食品廃棄問題を法律で規制するのはフランスがはじめてで、
世界各国のメディアで取り上げられ話題となりました。


この法律で賞味期限切れ、賞味期限に近づいている食品を廃棄することが出来なくなり、
廃棄する食品をボランティア団体やチャリティー団体へ寄付することが求められます。
法律の対象となるのは延べ床面積400平方メートル以上の大型店舗で、
慈善団体と契約を結ばなければなりません。
そして、慈善団体は貧しい人々へ食品を配分することになります。
違反した場合は最大75,000ユーロ(約990万円)の罰金、または2年以下の懲役が科せられます。


さらに、小売店には廃棄商品を破壊してはいけないという義務も課せられます。
これは、賞味期限切れの食品を人々がゴミ箱から持っていくのを防ぐために、
廃棄商品を意図的に化学薬品等を使用し破壊してから捨てていました。
こうした破壊する行為を違法にし、再分配するように規定しました。


こうして、廃棄される食品を少しでも減らす工夫を国全体で取り組んでいます。


 イギリス:廃棄商品のみを取り扱うリサイクルショップ

 

イギリスの食品廃棄問題の解決を目的とする団体The Real Junk Food Project(TRJFP)が
工業団地内の倉庫を利用して廃棄寸前になった商品の提供をしています。


賞味期限が近づいていたり、パッケージに難があるなど
様々な事情で販売できなくなった商品のみを取り扱っています。


イギリスでは消費期限が切れた食品を販売することは法律違反となるため、
TRJFPは販売ではなくあくまでも提供と主張し、誰にでも提供しています。


このお店は「Pay As You Feel (支払いはお気持ちで)」をコンセプトとしており、
値段は利用者が決めることが出来ます。
お金ではなく、お店の手伝いをするなどのボランティアで対価を払うことも認められています。



他にも、家庭での廃棄を防ぐために買いすぎを防ぐ内容のポスターを掲示したり、
「BUY ONE GET ONE FREE (ひとつ買うともうひとつ無料)」関連の施策を取りやめることで
廃棄問題に取り組んでいる海外の小売店もあります。


今回は節分後の恵方巻の廃棄に関するニュースを受けて、
食品廃棄問題に関する取り組みを取り上げてみました。


食品廃棄問題に関する記事を作成する中で、まずは自分自身が意識していきたいと思うと共に、
消費者が当事者意識を持ってもらえるような掲示物、販促といった面で貢献していけたらと感じました。



2018/02/27 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター