メール・イン・リベート

お店に行くと、たくさんのものが販売されています。
それぞれの商品にいろいろなタイトルのPOPが付き、
広告の品や月間お買得品などがひと目でわかるようになっています。


いろいろな売り方、値引きの仕方があるのだと改めてわかります。


さて、日本での値引きは、通常価格から一定額引いて表示、販売するのが通常です。


アメリカでも同じような値引きスタイルをとっているのですが。
それとは別に、小切手を利用したリベート制度も浸透しています。
メール・イン・リベートという仕組みで、日本では見られない値引きスタイルです。
今回は、この仕組みについてご紹介したいと思います。




メール・イン・リベートとは、店頭で値引き額で販売するのではなく、
最初は少し高い金額で販売し、あとから消費者自身がメーカーに申請し、
割引額を小切手で受け取り換金するという方法です。


リベートとは売り上げに対する割戻金や報奨金のことで、主に卸売業者から小売業者へ支払われます。
ですが、この場合はメーカーから、小切手を利用して消費者に直接支払われることになります。


調べてみると、アメリカで生活したことがある人のサイトで、一度は紹介されています。
3~4年前の日付の記事だったりしますので、以前からある販促方法なようです。
経験してみたその印象は、総じて「めんどくさい」ようです。


小切手は、日本では経理の職にでも就いていない限りなじみがありません。
せいぜい海外旅行でのトラベラーズチェック程度です。


が、アメリカでは家賃や光熱費の支払いなどで、普通に小切手が使われます。
銀行引き落としもあることはあるのですが、あまり信用できないようで
その場で目の前で手続きできる小切手のほうが確実なため、一般的なのだそうです。


では、そのメール・イン・リベートの手続き方法を紹介します。


(1)メール・イン・リベート対象商品を買う。
   対象商品はこんな風にPOPに書いてあります。
   下の例だと、3ドル戻ってきます。


 


        ↓


(2)本体レシートとリベート分のレシート、各種申請用紙を受け取る
   発行に時間がかかるためレジに長蛇の列ができます。
   レシートも蛇の如く長いです。
   こちらから言わないと書類をもらえないこともあるそうです。


        ↓


(3)必要事項を記入
   手続きは面倒、という声が多いです。
   書類に必要事項を記入し、同送物などを確認します。
   商品パッケージのバーコードを添付するので、返品はできなくなります。
   書類や同送物に不備があると、却下されます。
   この「却下」とは、放置されたまま音沙汰なしです。連絡なんてものはありません。


        ↓ 


(4)所定のところに郵送
   申込期間は、購入から数日間だけのようです。
   買ったらすぐに送らなくてはいけません。


        ↓


(5)小切手が届く
   申請から90日程度、約10~13週間かかるといわれています。
   忘れたころに届くのでうれしいかもしれません。 


   書類に不備がないのに、いつまでたっても小切手が届かない場合は
   メーカーに問い合わせをしたほうがよいです。
   忘れられていることも多く、こうなると永遠に送られてきません。
   ちなみに、忘れられていた場合は、また90日待つことになるようです。
   いろいろが大陸的だと思います。


        ↓


(6)銀行に持っていって換金
   これで晴れてキャッシュバック完了です。


メール・イン・リベートがよく使われるのは、家電やパソコン関係です。
たとえばパソコンとiPodを抱き合わせで販売、メール・イン・リベートを適用すると
iPod分がほぼ無料になる、といった売り方をしています。



メール・イン・リベート、企業側のメリット


どう考えても、消費者よりも企業のほうがメリットが大きいです。


・店頭では値引きをしないのに、値引き額を表記することができる。
  下のPOP、値引き額がかなり目立っていますが、
  実際のところお客様は、11.99ドルで購入しないといけません。


 


・申請がない限り、割り引く必要がない。
・申請時、メーカー側は消費者の個人情報を手に入れることができる。
  DMなどのアプローチやマーケティングに利用ができる、貴重な情報です。
・返品が不可能。
  バーコードを切り取って送るため、パッケージにはさみを入れます。
  結果、返品ができなくなります。


通常の店頭値引よりも大きな値引きがされることが多いようで
この広告を打ち出すと、売り上げはそれなりに上がるそうです。
でも、手間の煩雑さから、消費者受けは決してよくない、という裏腹な販促方法です。


ただ、この販売方法は、小売業のむやみやたらな価格競争、値下げ合戦を止めました。

爆発的に広がっていったのですが、その広がりとともに、未払いや不払いが原因で訴訟が増えていきました。


申請期間の短さ、手続きの面倒さももちろんですが、企業側の体制も決して良いとはいえませんでした。
例えば、こんな事件がありました。


2007年9月、1300通以上のメール・イン・リベート申請書が
カリフォルニア州北部の都市のごみ置き場で発見されました。
2007年2月~5月の間に販売されたパソコン周辺機器のものだったそうです。
発覚後、企業は自分たちの非を認めないような発言をしつつも、申請者全員に対応すると発表したそうです。
当然のことながら、苦情の嵐は相当だったとのことです。


払いたくないにしても、ゴミ箱にいくとは大胆です。



アメリカの消費者団体が発行している雑誌『COMSUMER REPORTS』で
メール・イン・リベートの活用度調査が掲載されていました。


1年以内に利用したことがある人 → 7割


とのことで、結構大勢が利用していることが伺えます。


一方、使わない理由については
1:手続きが面倒
2:払い戻し額が少ない
3:期限が切れてしまった
4:個人情報を送りたくない
5:レシートをなくした
6:きちんと返金されるか心配
といった回答が寄せられていました。
実際に、20%くらいは送ったものの返金されなかったという結果もあります。
いろいろが全体的に大雑把なんでしょうかね。


このメール・イン・リベート、もうひとつ面白い結果がありました。
年収5万ドル以下(約460万円)層は、あまり活用していないのですが
年収10万ドル以上の裕福層は、いつも使う、よく使うという回答でした。


こういった手間を惜しまず、マメな人がお金持ちになれるのかな、と納得しました。



郵便でお金(小切手)を送れるからこそ生まれた販促方法ですが
一長一短でなかなか難しいところがあるようです。
論拠もなく、感覚的な印象ですが、良いところ3:悪いところ7 くらいに感じます。
でも、アメリカ独自で面白いと思います。


おまけの余談ですが、日本独自の販促ってどんなものがあるのでしょう。
上で紹介したものとかなり毛色が違いますが、
ポケットティッシュ配布はどうやらオリジナルみたいです。
ティッシュ配りの様子を珍しがって、外国からの観光旅行者が写真をとっていたとの話もあるようです。
個人的には、絆創膏をいただけるのもありがたかったりします。


いろいろ紹介してみましたが、正直な感想を申し上げると、
最初から値引いた額で販売してもらったほうがずっとありがたいと思いました。



2009/11/10 作成

システム開発・アウトソーシングの高崎共同計算センター