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海外の販促事例や聞きかじりの話題、社内アンケートの実施結果など、ちまたに溢れるニュースをご紹介しています。

子ども向け食育キャンペーン

2020
8/28
海外の販促事例

新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、在宅勤務や外出自粛が余儀なくされ
体を動かす機会が減ることにより、コロナ太り・自粛太りを感じている人が多いそうです。
そこで、アラブ首長国連邦が実施した生活習慣病対策に関するキャンペーンに触れたいと思います。

アラブ首長国連邦は、世界でも有数の肥満体国と言われています。
人口の約7割が過体重(BMIが25以上)であり、約3分の1が肥満(BMIが30以上)、
さらに子どもの肥満も深刻化しているそうです。

こうした状況を変える為に、7年前の2013年には生活習慣病対策の一環として
国を挙げてダイエットキャンペーンが実施されました。

このキャンペーンは、イスラム教の断食月(ラマダン)の時期に合わせた
7月18日から8月16日までの30日間実施され、肥満者だけが参加できる企画でした。

キャンペーンに参加する為には指定された公園で体重を測定し、飲食学者の指導を受け、
不健康な方法でダイエットをしないことに承諾しなければなりませんでした。
そして、2kg以上の減量に成功すると、減った体重1kgに付き純金1gがもらえました。

ラマダンの断食は日の出から日没までの為、日没後に食べ過ぎてしまう人も多いと言われています。
キャンペーンを行うことによって、ラマダンは体重を減らして健康を増進し、
不健康な生活習慣を変える機会であることを認識させる目的がありました。

こうした一風変わったキャンペーンを実施したアラブ首長国連邦ですが、
昨年11月には小売店と食品メーカーが協力して、
子どもたちが栄養について楽しく学べる食育キャンペーンを実施しました。
今回はこの食育キャンペーンについてご紹介します。

子ども向け食育キャンペーン

MENA(中東・北アフリカ地域)は子どもの肥満率が世界平均と比較して2倍になります。
子どもの食生活は家庭から始まると言われていますが、
MENAでは栄養バランスが悪く不健康な食生活の家庭が多く問題になっています。

そこで、フランスに本社があるスーパーマーケットCarrefourと食品メーカーNestleが協力して、
アラブ首長国連邦にあるCarrefourで食育キャンペーンを実施しました。

まず、画像の様な4色のエリアに分けられた子ども用カートを導入。
それぞれのエリアは乳製品(黄色)エリア、タンパク質(青色)エリア、
全粒穀物(赤色)エリア、野菜・果物(緑色)エリアに分けられています。

そして、親子で買い物を楽しむ際に子どもには子ども用カートを使用してもらいます。
売り場には子ども用カートのどのエリアに該当する食材なのか、
子どもでも分かるようなかわいらしい販促物が掲示されており、
親子で楽しみながら食材の栄養について学ぶことができます。

それぞれのエリアへ均等に食材が入ることによって、健康的な食生活の目安にすることができます。
子どもだけでなく親も一緒に食生活を意識する良いきっかけになるキャンペーンになっています。

このキャンペーンは開始してからわずか8週間で、15,000家族に影響を与えました。
また、9トンもの野菜・果物が販売され、7,000件ものリピート集客があり、
ソーシャルメディアで95,000件も取り上げられる等、大きな成果がありました。

(画像はhttps://www.adsoftheworld.com/media/integrated/nestle_nestle_nutrition_cart[英文]より、動画の一部を抜粋)

このキャンペーンは、親子で栄養について学び意識することができるだけでなく、
子ども用カートにより栄養のバランスが見える化することによって、
バランスの良い食事を実際に摂取することができる素晴らしい食育キャンペーンとなりました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、販促やキャンペーンの実施が難しい状況ではありますが、
コロナ太りを感じている人が多く、また自宅で食事をする機会も増えている今、
食事を見直すきっかけを与えてくれるこのキャンペーンは需要があるかもしれません。

2020/08/28 作成